やましなす皆様。はぐれ刑事純情派や相棒より宇宙刑事シャイダーが好きな男斉藤です。
というかシャイダーのヒロイン「アニー」が好きなだけとも言う。
かなり前の話になりますが、以前ブログで詐欺被害にあったと言う事を書いた事があるのですが覚えていらっしゃる方はいますでしょうか。
過去ブログ「詐欺被害にご用心」
ご報告が遅くなりましたが、あのブログの後すぐに実際に山科警察署に出頭して「被害届」を提出してきました。
その際、よくテレビの刑事ドラマで見られるような刑事課の所謂(いわゆる)「取調室」に人生で初めて入りました。
朝9時。予約していた時間に出頭したのですが手違いがあり担当の刑事さんは未だ署に来ていないとの事。変わって若い刑事さん(漫画キャプテンの五十嵐君似)に先導され階段を昇ってすぐの「刑事課」に案内されました。
扉を開けた先にテレビでしか見れなかった風景が広がっていました。
整頓されてるとは言えないデスク。ガチムチ系のオジサンたちがひしめく姿。部下(っぽい人)の机の上に腕を乗せて後ろからパソコンをのぞき込む(ベテランっぽい)強面の刑事。むこうのメガネの人は恐らく腕力ではなく頭脳派やな。
そんな事を考えながら、廊下側の張り紙やメモが乱雑に貼ってある通路を刑事さんに先導されて肩身狭く案内されるがままに取調室に入りました。
部屋は左側の壁が狭くなっており、一角に黒っぽいガラス窓(マジックミラー)。広さは3畳くらいの縦長で質素な作りでした。
かなり年代物のエアコンが一基、小さなテーブルが一つとパイプ椅子(私の側)とややクッション性のありそうなデスクチェア(刑事さん側)と蛍光灯が一本。キョロキョロと見渡すと同時に何故かテンションが一気に急上昇する私。
壁にあるただのシミすら血や銃弾の痕に見えてきて、成程今このタイミングで「お前や」と迫られると「俺の心の弱さのせいや」と謝ってしまえるような緊張感が身体の中を走りました。
刑事「ちょっとパソコンをとってきますのでしばらく待っててくださいね。」
扉を開けて出て行った刑事さんを見送り、部屋に残された私は緊張感をほぐそうと出入口に神経を向けながらマジックミラーに近づき、何故か故障したエレベーターに乗っている風のパントマイムをして満足から席に戻りました。
この時点で私の興味は本来の目的より「自白用のスタンドライトや蕎麦屋のメニューの存在」といったくだらない系統の方向に向き始めていました。
十数分後、部屋に戻って来た刑事さんに普段「ホシ」「がいしゃ」「しゃぶ」「ガサ」等あまり使わない事、かつ丼ではなく決まった弁当が用意されている事、アンパンと牛乳よりおにぎりの方が好きな事等を聞き既に達成感が出でしまった私でしたが、その内「えっと詐欺にあわれたんですよね。」と疑われ始めた事により意識を取り戻せました。
「詐欺被害には初めて会われましたか」と聞かれ「3回目です」との返事を返した私の言葉に、若干表情を変えた刑事さんでしたが、出来るだけ手早くまとめて作成しますと手慣れた手つきでキーボードを打ち込み始められました。
尋ねると、どうやら私は事情聴取で供述をまとめた刑事さんが考えた文面を確認して署名の上指紋で押印するだけの役割。
以前派出所で私が警官に手渡した資料を見ながらパソコンを打つ刑事さん。
その文面が間違っていないか私に確認を取るために読み聞かせながらスピーディーに事が進んでいきます。
刑事「えっと・・・望月某日・・・私は知人とのお酒の席の後・・・・自らが所有するスマートフォンのSNSサイト『インスタグラム』の途中に・・・掲載されていたPORTERのサイトのページを開いた所・・・今までに見たことの無い割引額で販売しているのを・・・確認しました。」
私「はい」
刑事「サイトのページには『・・・本年は創業85周年を記念した・・・激安に挑戦・・星マークっと・・・絶対安心』と書かれており・・・・私は娘が以前から欲しがっていた事もあり・・・・見ると『二個目は何と1950円だけ驚き』と書かれてあり破格の値段・・・・と説明が書かれていたので・・・日頃何もしてあげられていなかった・・・妻にもこれをプレゼントすべく・・・購入を決意して支払い画面に進みました・・・」
私「・・・はい。」
刑事「値段は二つで7850円・・・計1万5750円の割引であったため通常では考えられない割引額・・・最後の画面には、えっと・・・・『数量限定・・・星マーク・・・見た目以上の収納力は今だけ』との説明が書かれていました。」
私「・・・・・」
刑事「・・・・」
この瞬間。声にこそしませんでしたが室内の二人の思った事は恐らく同じだったと思います。
どう見ても本物ちゃうぞコレ。
沈黙が続く取調室、最初に静寂を破ったのは私でした。
「刑事さん。僕ねもうお金が戻ってきて欲しいとか懲らしめたいとかそんなのどうでもええんですわ。」
とても腑に落ちた表情で頷く刑事さんは「はい。わかります。」と静かに同調してくれました。
これ以上自分以外で被害者が出ないよう訴える私の言葉は、既にバカの不注意から始まった自己防衛の為の言い訳にすぎませんでした。
聞いてくれながらもタイピングの手を止めない心優しい刑事さんが途中、黒のインクで私の指紋を欲して来たので指を回転させながら紙にネトッとつけていると「そんな逆に犯人みたいにしっかりつけなくてもいいですよ」と教えてくれました。
そして購入した時に酔っぱらっていた事も自白させられた私は「やるなあ敏腕刑事さん。」と感服し「実は私もPORTER好きなんですよ」との返事が返って来て、それが切っ掛けで笑いが起こり場に暖かな空気が流れ始めました。
刑事さんの最近のお父さん孝行(誕生日にPORTERのカバンをプレゼントしたばかり)、お互いの子供達の趣味の話や鬼滅の漫画は何巻が一番面白かったか等の話で盛り上がり楽しい時間を過ごせました。
山科にいる限り又何処かで会う事もあると思うので、その時までにお互い最近の面白い漫画本があったらお薦めできるよう調べておくことを約束して警察署の前まで見送ってもらいお別れしました。
こうして警察署に出向けて、警察専門用語の基礎知識、かつ丼やアンパンの真偽、そしてブラウン管の中でしか見れなかった世界を十二分に堪能でき、マンガ好きの刑事さんといつか再び出会えるその日を楽しみに出来るようになりました。
その後署内で「カメラに向かっておかしなパントマイムをする男の記録」が取調室から発見され会議にかけられていないかやや不安は残りましたがとてもいい経験だったと思います。
あれそう言えば何で警察署に行ったんだっけか。
と言う事で現在頑張って漫画を探しています。どなたか有識者の方がいれば「ドクターストーン」や「呪術廻戦」以外で面白いのあれば教えてください。
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やましなす皆様。はぐれ刑事純情派や相棒より宇宙刑事シャイダーが好きな男斉藤です。
というかシャイダーのヒロイン「アニー」が好きなだけとも言う。
かなり前の話になりますが、以前ブログで詐欺被害にあったと言う事を書いた事があるのですが覚えていらっしゃる方はいますでしょうか。
過去ブログ「詐欺被害にご用心」
ご報告が遅くなりましたが、あのブログの後すぐに実際に山科警察署に出頭して「被害届」を提出してきました。
その際、よくテレビの刑事ドラマで見られるような刑事課の所謂(いわゆる)「取調室」に人生で初めて入りました。
朝9時。予約していた時間に出頭したのですが手違いがあり担当の刑事さんは未だ署に来ていないとの事。変わって若い刑事さん(漫画キャプテンの五十嵐君似)に先導され階段を昇ってすぐの「刑事課」に案内されました。
扉を開けた先にテレビでしか見れなかった風景が広がっていました。
整頓されてるとは言えないデスク。ガチムチ系のオジサンたちがひしめく姿。部下(っぽい人)の机の上に腕を乗せて後ろからパソコンをのぞき込む(ベテランっぽい)強面の刑事。むこうのメガネの人は恐らく腕力ではなく頭脳派やな。
そんな事を考えながら、廊下側の張り紙やメモが乱雑に貼ってある通路を刑事さんに先導されて肩身狭く案内されるがままに取調室に入りました。
部屋は左側の壁が狭くなっており、一角に黒っぽいガラス窓(マジックミラー)。広さは3畳くらいの縦長で質素な作りでした。
かなり年代物のエアコンが一基、小さなテーブルが一つとパイプ椅子(私の側)とややクッション性のありそうなデスクチェア(刑事さん側)と蛍光灯が一本。キョロキョロと見渡すと同時に何故かテンションが一気に急上昇する私。
壁にあるただのシミすら血や銃弾の痕に見えてきて、成程今このタイミングで「お前や」と迫られると「俺の心の弱さのせいや」と謝ってしまえるような緊張感が身体の中を走りました。
刑事「ちょっとパソコンをとってきますのでしばらく待っててくださいね。」
扉を開けて出て行った刑事さんを見送り、部屋に残された私は緊張感をほぐそうと出入口に神経を向けながらマジックミラーに近づき、何故か故障したエレベーターに乗っている風のパントマイムをして満足から席に戻りました。
この時点で私の興味は本来の目的より「自白用のスタンドライトや蕎麦屋のメニューの存在」といったくだらない系統の方向に向き始めていました。
十数分後、部屋に戻って来た刑事さんに普段「ホシ」「がいしゃ」「しゃぶ」「ガサ」等あまり使わない事、かつ丼ではなく決まった弁当が用意されている事、アンパンと牛乳よりおにぎりの方が好きな事等を聞き既に達成感が出でしまった私でしたが、その内「えっと詐欺にあわれたんですよね。」と疑われ始めた事により意識を取り戻せました。
「詐欺被害には初めて会われましたか」と聞かれ「3回目です」との返事を返した私の言葉に、若干表情を変えた刑事さんでしたが、出来るだけ手早くまとめて作成しますと手慣れた手つきでキーボードを打ち込み始められました。
尋ねると、どうやら私は事情聴取で供述をまとめた刑事さんが考えた文面を確認して署名の上指紋で押印するだけの役割。
以前派出所で私が警官に手渡した資料を見ながらパソコンを打つ刑事さん。
その文面が間違っていないか私に確認を取るために読み聞かせながらスピーディーに事が進んでいきます。
刑事「えっと・・・望月某日・・・私は知人とのお酒の席の後・・・・自らが所有するスマートフォンのSNSサイト『インスタグラム』の途中に・・・掲載されていたPORTERのサイトのページを開いた所・・・今までに見たことの無い割引額で販売しているのを・・・確認しました。」
私「はい」
刑事「サイトのページには『・・・本年は創業85周年を記念した・・・激安に挑戦・・星マークっと・・・絶対安心』と書かれており・・・・私は娘が以前から欲しがっていた事もあり・・・・見ると『二個目は何と1950円だけ驚き』と書かれてあり破格の値段・・・・と説明が書かれていたので・・・日頃何もしてあげられていなかった・・・妻にもこれをプレゼントすべく・・・購入を決意して支払い画面に進みました・・・」
私「・・・はい。」
刑事「値段は二つで7850円・・・計1万5750円の割引であったため通常では考えられない割引額・・・最後の画面には、えっと・・・・『数量限定・・・星マーク・・・見た目以上の収納力は今だけ』との説明が書かれていました。」
私「・・・・・」
刑事「・・・・」
この瞬間。声にこそしませんでしたが室内の二人の思った事は恐らく同じだったと思います。
どう見ても本物ちゃうぞコレ。
沈黙が続く取調室、最初に静寂を破ったのは私でした。
「刑事さん。僕ねもうお金が戻ってきて欲しいとか懲らしめたいとかそんなのどうでもええんですわ。」
とても腑に落ちた表情で頷く刑事さんは「はい。わかります。」と静かに同調してくれました。
これ以上自分以外で被害者が出ないよう訴える私の言葉は、既にバカの不注意から始まった自己防衛の為の言い訳にすぎませんでした。
聞いてくれながらもタイピングの手を止めない心優しい刑事さんが途中、黒のインクで私の指紋を欲して来たので指を回転させながら紙にネトッとつけていると「そんな逆に犯人みたいにしっかりつけなくてもいいですよ」と教えてくれました。
そして購入した時に酔っぱらっていた事も自白させられた私は「やるなあ敏腕刑事さん。」と感服し「実は私もPORTER好きなんですよ」との返事が返って来て、それが切っ掛けで笑いが起こり場に暖かな空気が流れ始めました。
刑事さんの最近のお父さん孝行(誕生日にPORTERのカバンをプレゼントしたばかり)、お互いの子供達の趣味の話や鬼滅の漫画は何巻が一番面白かったか等の話で盛り上がり楽しい時間を過ごせました。
山科にいる限り又何処かで会う事もあると思うので、その時までにお互い最近の面白い漫画本があったらお薦めできるよう調べておくことを約束して警察署の前まで見送ってもらいお別れしました。
こうして警察署に出向けて、警察専門用語の基礎知識、かつ丼やアンパンの真偽、そしてブラウン管の中でしか見れなかった世界を十二分に堪能でき、マンガ好きの刑事さんといつか再び出会えるその日を楽しみに出来るようになりました。
その後署内で「カメラに向かっておかしなパントマイムをする男の記録」が取調室から発見され会議にかけられていないかやや不安は残りましたがとてもいい経験だったと思います。
あれそう言えば何で警察署に行ったんだっけか。
と言う事で現在頑張って漫画を探しています。どなたか有識者の方がいれば「ドクターストーン」や「呪術廻戦」以外で面白いのあれば教えてください。
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