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2013.10.11

 やましなす皆様。素晴らしいお天気ですね嗚呼暑い。

 

 ブログですっかり日常言葉の様にさらっと「やましなす」を使っている、昨日人知れず39歳になった男斉藤です。

 

 さあ今回も張り切って参りましょう。皆様も心の準備はいいですか。

 

 そうですか。

 

 さて冒頭から突然ですが皆様に質問です。皆様にとって山科を代表する「顔」と言えば何でしょうか。

 

 

 

 予想される答えとして多いと思われるのは

 

 本命・前原清司 対抗・藤山寛美 単穴・大石内蔵助 連下・オセロ中島or近藤正臣

 

 とまあこんな所が真っ先にピックアップされる顔ぶれでしょう。

 

 個人的にはマツヤ周辺を徘徊しているピンクの服を着てぬいぐるみをじゃらじゃら着けて怒鳴り散らして歩いているおばさんを推薦したいです。

 

 しかし大穴で以下のような名前が出てきた人もいるはずだと思います。

 

 山科の顔 富きくおさん。

 

 恐らく車生活ではない主婦の方や、歩いて通勤通学をされている方だとこの人の顔は一日一回は必ず目にしている事でしょう。

 

 そして「顔に落書き」「鼻に画びょう」を悪戯された回数では山科一を誇る人物でもあります。

 

 そんな有名人富きくおさん。例にもれず私も、息子を腕に抱いて保育園までの短い通勤経路にすら二回もお顔を拝見しています。

 

 しかしそんな富きくおさんをとっても嫌いになってしまった人物が我が家に。

 

 息子蒼衣くん。

 

 初めてポスターで対面したときのインパクトがあまりにも強かったのでしょう。

 

 東野妙見道の東部文化会館への曲がり角付近に貼ってあるのを見て大泣きしたのが今年の6月。

 

 通勤途中、息子を片手に抱いて耳元に息を吹きかけて喜ばせている際くすぐったかったのか、笑い転げながら上体反らしてのけぞった先に天地逆さに見た富きくおのポスターと目が合ってしまいました。

 

 あの時の息子の表情の急激な変化は今でも忘れられません。

 

 それからと言うものそのポスター前を通るとき、必ずと言って良い程指をさして「近寄れ」と私に指図した後、ポスターの顔、目のあたりを難しい顔でバンバン叩いてからでしか保育園に行かせてくれません。

 

 

 流石に叩いている時はシャッター切れないので画はありませんが、この御方かなり強めに叩かれます。

 

 そしてそんな蒼衣君。先日の日曜日に組運動会でうちの妻が午前中からフル出場した為、私と一緒にテント内で観覧していた時の事です。

 

 

 「どうもいつもお世話になっている市会議員の富です。」

 

 と言う声がして後ろを振り返るとそこに白い巨塔の唐沢さんのように手下をゾロゾロト引き連れた富きくおさんが。

 

 余りにも突然の出来事でした。

 

 カメラを出すことも忘れ間近で見る本物を、半ば興奮気味に見入ってしまった私。

 

 しかし視線を合わせる事無く足早に次の西野学区のテントに去って行ってしまった富さん。

 

 慌ててシャッターを切った私。

 

 何処にも映っていなかった富きくお。

 

 「いつも応援してます」位言えなかった意気地だった私。

 

 

 あ。そう言えば息子・・・

 

 そう思って慌てて息子の顔を覗き込みました。

 

 息子は

 

 息子は泣いていました。

 

 いつものような大声をあげての泣きじゃくりではなく、グッと何かを押さえつけるように泣いていました。

 

 ~息子よ~

          作詞作曲 ヤマシナス斉藤

 息子よ

 小さい命でその時何を思っていたの

 息子よ

 澄み切った眼は何を見ていたの

 

 あの時間は貴方にとってどうでしたか

 やっと出会えた町のあの人

 子供の頃大きく見えた背中

 小さく見えるのは何故

 

 こらえた気持ちを力に変えて )

 強く大きく踏み出そう    )※

 涙の意味は二人の秘密    )

 

 

 息子よ

 例え歳をとってもこの事忘れないでいて

 息子よ

 振り返る事も時には必要なんだと

 

 いつか私と同じように

 画びょうを鼻に刺すでしょう

 小柄に見えたその訳は

 貴方が大きくなったから

 

 ※繰り返し

 

 泣いて叩いた右の目はやがて色褪せ流れ行き

 時を超えて伝説と変わる OH

 

 ※繰り返し

 

 

 

 ・・・・

 

 いや。なんか書いてて恥ずかしくなって来ましたね。しかしそれ以上にきっと真剣に読んでしまった方のほうがとっても恥ずかしくなっている事でしょう。

 

 突如としてこういう事もやってのけますので、読者の方は気を抜いて読んでいると一瞬で気持ち悪い空気になる危険もありますので今後ご注意ください。

 

 それにしても富きくおさんってこれだけ長く山科を愛し愛され続けてるって、本当に凄い人なんだと思います。

 

 因みにお父様も昔から有名な政治家さんらしいです。

 

 私も美容師が駄目になったらツルッパゲにしてサングラス掛けて参議院選挙に新党大地から立候補しようとも考えておりますので、その時には皆様の清き一票を何卒宜しくお願い致します。果てぇしぃなひぃ。

 

 お後がよろしくないようなので、最後に一枚。

 

 

 

 写真は先日夜に家族で食べに行った回転寿司スシローでの一コマ。

 

 ネタが乗っていない舎利(しゃり)だけが回っていました。流石恐るべし山科。

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2013.10.08

 秋色いよいよ深く、夜長となりました今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 秋冷日ごとにつのる季節、どうぞお健やかにお過ごし下さいますようお祈りするとともにブログを書く為話を続けます。

 

 今日は服が鍋臭い斉藤です。

 

 先日の月曜日、妻と息子と一緒に山科民なら誰しもが気になっているであろう超話題のホットスポットにお昼を食べに行きました。

 

 

 

 10月一杯で閉店すると噂れている某MKのバイキングです。

 

 

 

 11時半頃に着いたのですが、どうやら営業されていらっしゃるようすで一安心。

 

 昔はこの写真の左側に超超大量の自転車がズラァっと並んでいて、ボウリングに行くときは必ずヤンキーにパクられないよう(盗難されないよう)一番奥の左端付近の水溜りが出来ているところにワザワザ停めに行ったものです。

 

 入り口付近に向かうと一枚のお知らせが貼ってありました。やはり閉店のお知らせかと思ったところ

 

 

 閉店ではなく料金改正ですって。しかも21日から。

 

 これはもしかして閉店しないと言う事なのか。

 

 ※因みに今までの料金はバイキング500円。ドリンクバー150円。小学校の九九を習う前に「山科民」なら言うまでもなく誰しもが習う常識ですね。

 

 そして店内に入って行きました。

 

 

 うおっ凄ぇ。

 

 平日のお昼前だというのに無茶苦茶混んでます。割合で言うと「女性2ご年配者5ガテン系3」と言う感じでしょうか。

 

 雰囲気も私が中学の頃に思っていた様なチープな感じとは違い(すみません)随分と出世&成長してました。

 

 これは流石に閉店するのはもったいない位の生協イナサ、違うか聖教ワラダ、いやいや盛況ブリ。

 

 因みに「うおっ」と「出世」にかけてみました。解らない方のために説明しておきます。

 

 

 なんとか席を確保してから妻と交代でビュッフェにおかずを取りに行きましたが、写真で空いているように見える席は全て先約済み。

 

 ところで「ビュッフェ」と「バイキング」は何がどう違うのか未だに分かりません「パスタ」と「スパゲティ」も。どなたか教えてください。

 

 皆さん御代わり等我先にと取りに行ってました。

 

 

 品数で言うと、およそですが25~30種類くらいでしょうか。

 

 バイキングのお昼ご飯としては決して少なくなく、グレードダウンしてしまった今年の山科ブライトンのビアガーデンのそれよりも全然民に優しい料金&種類でした。

 

 

 

 そして楽しそうによそって(よそう※)いる妻を写真で撮ろうとしたのですが、ここでマサカの笠間さん。スマートフォンのバッテリーが切れてしまいました。

 

 ※因みに「よそう」は関西弁で「ご飯を入れる」と言う意味。東北は「盛る」九州は「つぐ」。

 

 「まあいいか。妻のスマフォ借りてブログ用に撮ろう。」

 

 そう思って席でおとなしく待っていたのですが、私の席から見える向かいの席に座っている「ガテン系」のお兄ちゃん二人組のテーブルでの光景に思わず声を上げてしまいました。

 

 「マジで」

 

 嗚呼山科の神様。

 

 何故、何故今私のスマートフォンの電源をお切りになられたのですか。

 

 この、この「絵」を撮れないなんてクダブラーとして何と言う拷問的仕打ち。順風満帆なここ1年の生活の中で最高の後悔が今ここで。

 

 

 

 くやしいので何とか近い「絵」が無いかネットで探してみました。

 

 

 

 これじゃない。これじゃないんですが、こんな絵しかないのです。畜生。

 

 何とか。何とかして伝えたいのでもう一枚探してみました。

 

 

 

 

 

 

 

 小さいですがこんな感じ。しかし悔しい。

 

 

 兎に角、私の対面に座っていた私と体系があまり変わらないお兄ちゃんがトレーによそって(盛って)きたおかずとご飯の量が半端ないボリューム。

 

 Oh such a Mt Fuji.

 

 盛り方があまりにも巨大かつ芸術的だったので失礼かもしれませんが是非写真に撮って置きたかった。

 

 これ程までに妻の帰りを待ちわびたのは同居初日以来か。早く帰って来てくれさおりさん。

 

 

 

 そして山が。山が崩れていきます。ゆっくり。ゆっくり食べないと消化に悪いですよ。

 

 それにしてもフレッツ光ハヤブサ並みのものすごい速さで食べられています。どこにそんな量が入るのか。

 

 思いむなしく牙城が崩されて行き、肝心の写真が取れなく悔しい思いの私に対して要約「おまたせ」と声が掛けられました。

 

 

 

 因みに右のは妻がよそって来たトレーですが、ご覧の様に仕切が付いていて色々なおかずをよそえるようになっています。

 

 しかし私の目にした先ほどの光景。この仕切付トレーに入れていたであろうおかずは、ハンバーグと唐揚げとスパゲティーのみでした。

 

 更にご飯は勿論ギャグ漫画の様な超山盛り、通称おっぱい盛。

 

 もう食べることなどややどうでも良くなってしまった私でしたが、取り敢えず妻と交代でビュッフェにバイキングしに行きました。

 

 

 何かわかりませんが、この時ショックで放心状態だったので何が撮りたいのか訳の解らないアングルの写真になってしまいましたが、これはサラダバーです。

 

 

 その他写真は忘れましたがこの他にそうめんや中華なども沢山おいてました。

 

 

 

 その後、テーブルに戻ってからこの感動と後悔がどれほど伝わるのか半ば諦め半分で妻に先ほどのガテン系のお兄さんの皿の事を報告。

 

 アクビで白々しく後ろの人の皿を確認した妻も笑いをかみ殺してました。これは意外。

 

 ていうかさおりさんアクビて。アンタ絶対探偵には成れんな。

 

 そして一通りお皿が綺麗になっていよいよ「最後の〆」に入ろうとカレーをよそいに行こうとした時の写真がコチラ。

 

 悪魔でも可愛い息子を撮っただけです。パシャリ。

 

 あ。画像クリックして大きな画像で見ようとなんてしないでくださいね。

 

 

 何やら薄ら「スタート」の状態の様な線が描いてありますが、単なる画像データのひっかき傷です。

 

 そう言えばこの時ペースダウンしていますちょっと辛そうな人が写っている気がします。

 

 何となくこの時点でも唐揚げ、パスタとハンバーグなど結構残っていた気もします。

 

 そして妻と四方山(よもやま)話などをしてそろそろコーヒーでもよそいに行こうか、と席を立ったのですが、時に偶々手に持っていたスマフォが落ちそうになり、慌てて握り直したときに勝手にシャッターが下りた写真がこちら。

 

 

 何故か鮮明に映ってます・・・関係ないですが

 

 デザート食べてますね。

 

 女性の方はお分かりになられないかもしれませんが、男性は満腹になると「股開き太もも腕掛けポーズ」というポーズを良く取ります。これは「もうこれ以上入らない」というサイン。

 

 なんとなくそんな風にも見えます。

 

 

 そういえば肝心なことを言い忘れました。

 

 

 山科の方はお分かりの事と思いますが他府県や京都市内在住の方、MKバイキングを知らない方から見たら「別にバイキングやし残してもええんちゃうの」と思わるかもしれません。

 

 実はMKバイキングは・・・いや、説明するより見て頂きましょう。フロントに提示されてあるこの伝説のインフォメーションを。

 

 

 

 そうです。MKは食べ残した場合、倍額払わないといけないのです。

 

 妻にもMKのバイキングの紹介をしたことがあるのですが、味や金額よりこの「倍額払いの罰ゲーム」の事をずっと話してきました。

 

 しかし正直昨日の昨日まで私はこのMKバイキングシステム、約してMバイシスに疑問すら感じてました。

 

 今までで倍額払った人なんているのか。と。

 

 名も知らぬ人、何となくありがとう。

 

 明治維新。大阪万博。東京オリンピック。そしてクララが立った日。

 

 何だか良く分かりませんが、今自分が結構幸せなそんな時間の中にいれている感じがしました

 

 駆け寄って握手しようかとも思ったのですが、流石に知らない人だったので止めておきました。

 

 そしてトレーを返すために席を立った私達親子。今度は妻にスマフォを返そうとして間違ってこれまた勝手にシャッターが下りた写真。

 

 

 

 因みに全く関係ないですがこの写真を編集中、隠れている手前の男性がカメラを撮っている私をガン見して睨んでいました。何度も言いますが偶々シャッターが下りたのですがむっちゃ怖かったです。

 

 しかしこれでもかなりの量を細い体で食べられていました。ボリュームにしたら多分2~3キロ。凄いです。

 

 彼はこの後このピンチをどうやって切り抜けたのか。なんとなく想像で楽しむため(本当はややメンチ切られたため)結果を見ずにMKを後にしました。

 

 そうそう肝心な事を忘れてましたが、全体的に味は昔よりしっかりしていて美味しくお勧めできるレベルでした。

 

 MKのレポートとは全く関係の無い話が多くになってしまいましたが、恐らく今後も山科を代表する「ランチの王道」として君臨し続けるMKバイキング。皆様も是非一度堪能されにお出かけください

 

 万万が一、次回ご来店時に私が足や腕にギブスをはめていたり眼帯をしていたら、オーキニさんに何か事件が起こった。そして何となくこのブログが事件と関係していると察してください。

 

 

 

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2013.10.03

 ヤマシナス皆様。

 

 今朝、仕事の時に着るズボンを家に忘れてしまい、母に届けてもらえなければランニングパンツ&ウェアで営業するところだった男斉藤です。

 

 今日ぅは何の日っふっふぅぅ。

 

 懐かしのフレーズから始まりましたが今日は10月3日木曜日です。

 

 以前、ロンバートという外人が10月2日に気をつけろ、と予言していた、と言うブログをアップしましたが、何事もなかった昨日。

 

 何も知らなかった人たちにとっては小雨振る安定しない天気なごく普通の朝を迎えた訳ですが、斉藤家では昨日の夜から、私、妻、娘、息子、母の5人でお互いの無事を喜び幸せを感じ合いながら何事もなかった一日にとても感謝できる素晴らしい日になりました。

 

 母親に至っては仕事から帰ってきてから私と顔を合わせて開口一番「何にもなくてホンマよかったな」と満面の笑顔を見せてくれました。

 

 母あけみ。いやはや定年を迎えた年だというのにまだまだ人生でやりたい事が五万と存在する超人書道家。

 

 そして買いだめしてしまった「いろはす」の始末をどうするか、と言う話し合いの結果、先日友人宅のパーティーで一目ぼれした「家庭用流しそうめん機」を購入してしまっていたので、そのミネラルウォーターを流しそうめん機のプールにどぼどぼと流しいれ、おいしく頂きました。贅沢の極みですな。

 

 箸に付着した麺つゆと刻み葱、そして生姜によってあっという間に濁っていく「流れるいろはすプール」を見ながら、逆に気持ち良く澄んでいく自分の心に酔いしれ、夜を迎えられたことに感謝しました。

 

 味は普通の水に対してほとんど変わりがなかったのは言うまでもありまへん。

 

 でも

 

 よく考えたら、毎日そうなんですよね。

 

 所により異常気象で竜巻が起こったり汚染水の脅威に晒されたり、放射能測定器を買いにお店を回ったりしなくて良い。そんな環境に私はずっと住んでいられる訳なんですよね。

 

 当たり前の様に迎える朝。当たり前のように小便をしに起きてしまう午前3時。当たり前のように娘に「おとうのオナラ臭いもう」と怒られる。

 

 毎日の中での当たり前こそ幸せがいっぱいあるって事です。

 

 これからも楽しく笑顔であふれる日々を過ごし、悔いの無い毎日を過ごして行ってやりましょう。

 

 そして私もいつの日か「Jamasignass」が山科の共通挨拶になるよう普及活動を前向きに検討しだしていきたいと思います。

 

 とりあえずネットでロンバートがどう叩かれているのかは気になる所ではありますが、何にせよ良かった良かった。

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2013.10.01

 やましなす。最近ちょっとスランプ気味の斉藤です。

 

 皆様はお変わりなくお元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

 今回は少し気味の悪い体験談なので、そういうのがお嫌いな方は読むのをお控えください。

 

 先日、友人の結婚式の打ち合わせの為、新風館に行ってきたのですが、その帰りに烏丸御池から東西線に乗って東野まで帰ってきました。

 

 利用された事のある方はお分かりかと思いますが、東西線は京都にある地下鉄の中でもかなり下まで掘っている線の一つらしく、階段で上り下りするだけでも結構大変だったりします。

 

 御陵駅なんか階段最中のターン(曲がり角)が6回くらい深くまで潜らないといけません。お年寄りが多いのにふざけた話です。

 

 なんでも一昨年前に、御陵駅の出口1の昇り階段途中で、力尽き行き倒れになっていたお婆さんが手記を残していて、その手記の中に「こんな長い階段に挑んだ親不孝な私を許してくださいお義母さん」と書いてあったなんて話は無いです。

 

 兎に角、終電近い夜の11時30分くらいに東野駅に着いて私の家の方角である3番出口に向かったのですが、階段で上がるのが面倒になって、行ったばかりで40秒は待たないといけないエレベーターを待ってからこの若さで乗らせて頂きました。

 

 私の前にはすでにエレベーターを待っている疲れきった顔の初老の男性(通称おっくん)が居たので2番手で乗り込んだわけですが、そうすると必然的に扉手前の所謂(いわゆる)エレベーターガールのポジションに行かなくても良くなるわけです。

 

 ちなみにその初老の方は私の兄の友達の「おっくん」にそっくりでした。

 

 そして大体2番手乗り込みだと、扉から最も離れた所、後ろ側の壁に背中を付ける位置まで下がらないといけなくなります。

 

 私の後にも通勤帰りなどの方たちが5人乗り込んできました。

 

 そしてしばらくして辺りが静寂に包まれ、エレベータージェントルメンのポジションのおっくんは周りをゆっくりと確認してから「閉」のボタンを静かに押します。

 

 「扉が閉まります。」

 

 どうでも良い事ですが東野駅のエレベーターの場合、このアナウンスが流れてから扉が閉まり出すまでに約3秒の「間」が出来ます。

 

 そして扉が4割程閉まった辺りで誰かが走ってくる足音が薄ら聞こえました。

 

 エレベーター内の奥の右側に寄りかかっていた私は、向かい左奥から駆け足で走ってくる緑のスカーフを矢沢永吉のタオルの様に肩に掛けた肌の白いおばさんが見えました。

 

 待ってくれぇ。

 

 気のせいか私の眼にはおばさんは走っているはずなのに、何故かスゥっと流れるようにこちらに近づいてくる様に見えました。顔には困っているような怒っているような強い意志が感じられました。

 

 待ってくれぇ。

 

 普段の私なら、とっさに「あ、人が来ますよ」などと声に出したりするのですが、何故かその時、静寂の中で走ってくるおばさんの形相にただならぬ恐怖を本能で感じました。「この人を入れてはいけない」と。

 

 待ってくれぇ。

 

 しかしおっくんは疲れている為(勝手な想像)アンテナを張っていなかったのでしょう。おばさんに気付くのがやや遅くなってしまいました。

 

 「あ」

 

 おそらく悪い人ではなかったのでしょう。アンテナを慌てて立てたおっくんは「開」のボタンを急に連打しました。何度も何度も連打しました。

 

 待ってくれぇ。

 

 近づいてきたおばさんの顔はガラス越しにはっきり山姥(やまんば)の様な形相に見えました。山姥見た事無いですが。

 

 連打の頑張りむなしく扉は閉まり、おっくんは最後に指ではなく手のひらで軽く「開」ボタンを押しました。エレベーターは動き始めました。

 

 もう、現実とは思えない位のシーン。ゾンビ映画でも見ているかのようでした。

 

 待たなかった。

 

 ガラスの向こう側には、恨めしそうに中をにらんでいたおばさんの姿が。

 

 あれ。

 

 おばさんの姿があったはずだったのですが、一瞬にしてその姿が見えなくなってました。

 

 待たなかった。

 

 まさか幽霊じゃないよな、と何となく不気味に思っていた私でしたが、ボタンに手が届く位置にいなかったので薄情な話、まあいいか。と軽く思ってしまいました。

 

 その後、エレベーターの中はなんとなく重い雰囲気に包まれて、誰も声を発しませんでした。

 

 あ。他人だから当たり前ですね。

 

 そして程無くエレベータは地上に着き、アナウンスの声と共に扉が開きました。

 

 「地上階です。扉が開・・・」

 

 さっきのなんだったんだろう、などと考えながら降りる為に顔を上げたその時。

 

 私の目に、あるものの姿が飛び込んできました。

 

 そこには恐ろしい形相のあの山姥が。

 

 前進の毛穴が開くのが分かりました。

 

 えウソやろ。さっきまで下にいたやん。

 

 本能で「扉が開いたら何か嫌な事が起こる」と感じました。まずい。

 

 「開くな開くな。」心の中で念じました。しかし無情にも扉は開いて行きます。

 

 扉が開き切った先。そこには間違いなく緑のスカーフをかけた山姥が青白い顔で立っていました。

 

 息を切らしてました。

 

 殺される。

 

 

 

 「なんで待ってくれへんの。」

 

 始めに出ようとして扉に近づいていたおっくんではない別の若い男性が捕まってました。

 

 「え。え。」

 

 あいつが最初に殺される。

 

 顔は見えませんでしたが、若い男性は腕を捕まれています。

 

 「何で待ってくれへんにゃ。」

 

 「いや、この人ボタン押してたし、俺関係ないっすよ。」

 

 「何言うてんの、ちょっと横から押してくれたら入れたやないの。」

 

 緑のスカーフの山姥に見えた普通のおばさんは、多分エレベーターが動いてからダッシュで階段を上がってきた様子でした。

 

 おっくんは横からそそくさと外に出てました。

 

 「え。俺ちゃう言うてますやん。」

 

 若い男性むっちゃ困ってました。

 

 おっくんに続いて他の人たちが我先に静かに降りて行きます。

 

 私も、恐らく最後に降りるととばっちりが来るかもしれない、となんとかブービーで降りようと体を入れました。

 

 脱出成功。

 

 おばさんはよっぽどムカついたのか暇なのか、その後も若い人に色々文句を言ってました。

 

 振り返ると魂を持って行かれそうで、いや。間違いなく関わりあいになってしまいそうでポケットからスマートフォンを取り出して意味なくスケジュール表を開きながら歩く私。

 

 頭の中では何故か、映画「ジョーズ」の最後のシーンで船が沈没しそうになり傾いた所、船長がデッキの傾斜で滑って行って「頼む俺の手を摑まえてくれ」と叫びながら人食いサメに食われるシーンが浮かびました。

 

 そして50m程歩いた所でおばさんの声も若者の気配もなくなっていきました。

 

 

 

 その後、その二人がどうなったのかは恐ろしくて考えたくない出来事でした。

 

 ちなみに本文途中の大文字&太文字の待ってくれえと言うセリフはおばさんではなく私が勝手に思っていただけのセリフです。

 

 きっと山科の神様も私の気持ちを分かってくれたことでしょう。

 

 この薄情者め。

 

 

 しかし山科変わった人が多いですわホンマ。

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2013.09.29

 皆さまお疲れ様です。夕方5時を回り、見下げるとシャツと肌着の間から加齢による体臭が匂ってきて我ながら死にたくなっている斉藤です。

 

 昨日と今日は素晴らしい秋晴れで絶好の運動会日和でしたね。

 

 斉藤家ももれなく昨日は娘の運動会、今日は息子の運動会でした。

 

 生憎父親は仕事が忙しく見に行ってあげられなかったのですが、母親が頑張ってビデオを回してくれました。

 

 ちなみに父親=私。

 

 昨晩、ビールを片手に妻が撮ってくれた映像を鑑賞していてふと気付いた事があります。

 

 我が子の出番の時に大声出して応援している親御さんがいない。

 

 ビデオ(ハンディカム)の映像の中には、同じようにレコーダーを片手に高々と上げて我が子であろうショットを撮っている親たちが沢山映っていました。

 

 しかし周りの声が全く無い。

 

 因みに妻の声もほとんど無い。

 

 そう言えば昨年、私が娘の保育園の運動会を初めて見に行った時にも周りで私以外に大声あげて応援している人が少なかった気がします。

 

 娘は御陰様で今年小学校に入学したのですが、それまでの保育園時代、俗にいう「場所取り」の為、毎年朝4時に起きゴザを持って家族の為にユンケルを飲んでからグラウンド横に並びに行ってました。

 

 自分ではかなり頑張って早くに到着しているつもりなのにそれでもいつも並び順は10~20番目。

 

 私以上に「我が子の為に一生懸命早起きしているお父さん」方が10~20人もいた訳です。

 

 その都度、娘をもっと深く愛すべきだと、山科の神様から叱られている様な気持ちになり自分の足りなさを反省したものです。

 

 しかしそんな私より深い愛をお持ちのお父さんたちもメインである競争中の応援の声は少ない。

 

 なんでしょうこの違和感。

 

 勿論、中には大声出したりしている大人たちもいましたが圧倒的に少数だったと思います。

 

 別に偉そうに言っている訳では無いのですが、私なんか昨日の映像だけでも興奮しすぎて大声出して娘に抱き着いて、その結果痛くて泣かれてしまい「お父さん嫌い」「ごめん」「ふんだ」「ごめんて」「いやや」「わかったもうええ」「へ」「もうお父さん一生しーちゃんさわらへん」「ええ」「さわらへんもん」「そんなんいやや」「じゃあゆるしてくれる」「うん」とまで言われた位盛り上がってしまいました。

 

 自然に声とかって出ないモノなんでしょうか。

 

 というかそういう風に大声出したりするのは大人気(おとなげ)無い行為なんですかね。

 

 私はアニマル浜口さんが好きだったりします。

 

 少し出過ぎな感は否めないですが、あの姿は本来親が子供に対する気持ちの本能だと思います。

 

 浜口京子さんの頑張っている姿を見ているより唾を出しながら応援しているアニマルさんを見ていると涙が出そうになります。

 

 ああいう風に人生を生きれたら生涯に後悔とか絶対無いのだろうなぁ。

 

 娘を泣かせたことで興奮が冷めてから、そんな事ばっかり考えながらしばらくビデオを眺めていたのですが・・・

 

 ふと疑問に思い、昨年の運動会のビデオを見直してみました。

 

 そこに驚愕の事実が。

 

 私も言うほど騒いでなく、黙りこくっている時が所々であるやんかいさ。

 

 一方大声でうるさいオッサン化している時もあります。

 

 この差は一体何なのか。

 

 やがて規則性を発見。私が大声を上げていない時それはビデオカメラのカメラワークをしている時。

 

 何度も何度も見直していると途中大声出している時は被写体がブレたり外れたりしてまともな映像になっていません。

 

 と言う事はその時間ファインダーを覗いてない、と言う事です。

 

 親たちの運動会の際の応援の邪魔をしているもの、それは羞恥心ではなく、ビデオカメラと個別感。

 

 確かにカメラの画面見ながら頑張れーとか言ってもなんか気持ち悪い人って感じがします。

 

 子供が親に求めているものは、決して終わってからの映像ではなく、親からの声援のはず。

 

 よし決めた。

 

 来年からは斉藤家はビデオカメラ禁止。

 

 いや、それだとちょっと寂しいからカメラは固定放置で流しっぱなし。

 

 ナンにせよその時一瞬の姿を目に焼き付ける覚悟で参戦する事。

 

 と言う事で運動会の日、仕事で見に行けなく家に帰ってからビールを片手に、は今後適用されないので出来得るだけ生で見に行くことに決めました。

 

 日々成長日々前進頑張れサイトウヒロミ。

 

 長々と書いて実は体良(ていよ)い来年からの休業の口実の為のブログだったとはお釈迦様でもワカルメェ。

 

 ・・・・・ホントスミマセン。

 

 お客様にはご迷惑をお掛けする事になりますが何卒ご理解とご協力をお願いします。

 

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