斉藤VS斉藤

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2013.09.03

 グーテンターク皆様。そしてJamasignass。

 

 又、性懲りもなくキャンプで虫よけスプレーを万遍無く振ったはずが雨で流れ落ちてしまい足首に虫刺されミサンガが発生した斉藤です。

 

 昔、とあるテレビで「人間誰しも、もう一人の自分が心の中にいる」というドラマがありました。

 

 そう。知る人ぞ知るB級ドラマ「ヤヌスの鏡」主演は杉浦幸。

 

 以前こちらのブログで私の中に住んでいるもう一人の私がいる、と言う話をチラッとしましたが実は今まで黙っていましたが私の中にもどうやらヤヌスが潜んでいます。

 

 今回のブログは最近現れた私と私の葛藤の話です。

 

 

 ここから先は音声多めでお届けしますが、以下心の声ですが分かりやすいように、冷静な私を「エンジェル斉藤」と呼び、声を青色もう一人の私を「デビル斉藤」と呼んで、声を赤色で表します。

 

 

 これは先週、夜のテレビで「所さんの笑ってこらえてSP」という番組をやっていたのを偶々家族全員で見ていた時の出来事。

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 その番組によると現在フランスではひそかにジャパンブームが起こっているそうでした。
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 特に人気が高いのは日本のアニメ。そしてスポーツで言えばプロレス。
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 そのテレビでは「ジャパンエキスポ」と題して大がかりなイベント会場で「北斗の拳」や「ドラゴンボール」というアニメに群がる人々、そして現地レスラーによる生中継の「プロレス」が行われていました。
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 画面では、フランス人の女性レポーターがプロレスが大好きでリングサイドに駆け寄って興奮してる姿が見られました。
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 その様を、私と娘がソファーに寝そべって、妻が息子(蒼ちゃん)を寝かせる為に両手で抱いてチラ見でテレビ鑑賞をしていた時の一コマより。
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 妻「凄いねぇ蒼ちゃん。プロレスだってカッコいいねぇ。あ。危ないダウンしたよ。」
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 「ほう。さおりもプロレスに興味あるのか。珍しいな。」
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 「いやいや。どうせお父さんが見てて野球みたいにちょっと知ってる位やて。」
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 アナウンサー訳(以下「ア訳」)「あ~っと、ここで日本人がダウンしたぁ。カウントが入ります。」
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 レフリー(以下「レ」)「ワンっ、ツゥー」
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 妻「あぁ。蒼ちゃん負けちゃう。」
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 「なぁ。負けちゃうの前に蒼ちゃんって付けなくてもええんとちゃうか。」
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 「いやいや。蒼衣(息子)とスキンシップ取ってるつもりなだけやて。そう言うなや。」
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 ア訳「お~っと、何とかカウント2で返したぞ。そして形勢逆転。今度はフォールに行ったぁ。」
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 妻「お~今度は勝つかも。頑張れ~って。」
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 そして画面では再びレフリーのカウントが入ります。
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 レ「ワンっ(1)」
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 妻「一緒に数えよ。はいワンっ。」(上と同時進行)
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 レ「ツー(2)」
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 妻「はいツー」(上と同時進行)
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 レ「スリィィィィィッィィ(3)」
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 妻「スリィッ」(上と同時進行)
                  ・
 カンカンカンっ
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 妻「フォォォォォぉぉ(4)」
                  ・
 ・・・・
                  ・
 「おい。」
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 「なんえ。」
                  ・
 「なんえちゃうで。今さおり、「ふぉぉぉぉぉぉっ」て言いよったぞ。」
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 「言いおったな。それは俺も聞いたわ。」
                  ・
 「行っとくか。」
                  ・
 「いやいや。きっと勢いで言ってしもうたかボクシングみたいにカウント10まであると思いよっただけやて。」 
                  ・
 「いやお前。「ふぉぉぉぉ」やぞ。アカンて。最後伸ばしよったぞ。おかしいやろアレ。しかも見てみろ、なんか喜んどるぞ。」 
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 「あんなお前。今まで何回経験して来た思てんねん。子育て頑張っとるやろ。それに勉強したやろ突っ込む事意味ないって事。そっとしといたれや。」
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 「お前いっつもエエ子ぶりやがって。知らんぞ俺。」
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 そしてプロレス中継が一段落。画面ではコマーシャルが始まっていました。
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 妻「蒼ちゃん、ほらもう一回やるよ~。」
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 そう言って両腕に抱えた息子を掛け声と同時に左右にゆっくりゆすり始めた妻。
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 妻「ワンっ」
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                  ・
 妻「ツー」
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                  ・
 妻「スリィ」
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                  ・
                  ・
 妻「ふぉぉぉぉぉぉぉぉ」
                  ・
 「あ・・・・・」
                  ・
 「ほら見ろ行きおった。」
                  ・
 「アカン。もう我慢できん。」
                  ・
 「コラちょっと待て。」
                  ・
 私「なあ。なんや「ふぉぉぉぉ」って。ワザとか。」
                  ・
 「やめろって。お前何度も乗り越えてきたやろうに。」
                  ・
 「限界があるわ。」
                  ・
 妻「ん。何。」
                  ・
 「今なら引き返せるぞ。」
                  ・
 私「プロレス、3までしかないやろ普通。テレビでも「スリィッ」って大声出してたし、なんでその後もっと盛りあがっとんねん。」
                  ・
 妻「そうなのふーん。そう言えば来週キャンプの日雨降るって。」
                  ・
 「あ・・・」
                  ・
 「そらみろ。」
                  ・
 「なんでや。なんでなんや。」
                  ・
 「もういいだろ。彼女の中ではそんなに大したことじゃないんやって。」
                  ・
 妻「じゃあそろそろ寝よっか蒼ちゃん。お父さんにお休みーって言って。」
                  ・
 「さおりに成長してほしいだけやねん。」
                  ・
 私「プロレスは3までです。」
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 「もう彼女は成長しつくしてるよ。」
                  ・
 妻「はいじゃぁしーちゃん(娘)も上いこう。お休みー。」
                  ・
 そして子供二人を連れてリビングの扉を閉めて階段を上がって行った妻。
                  ・
 「ちくしょう。くやしいな。」
                  ・
 「あいつがあれで居てくれるからこそ俺らも成長できるんちゃうか。悔しさをバネにして高みに登っていこ。な。」
                  ・
 「・・・おう頑張るわ。」
                  ・
 そして薄ら、かすかにですが、階段を上がる足跡と共に何やら声が聞こえてきました。
                  ・
 「・・・はい、ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・」
                  ・
 「・・・・」
                  ・
 「・・・・」
                  ・
 「エンジェル。」
                  ・
 「なんえデビル。」
                  ・
 「もうプロレスのカウント。」
                  ・
 「うん。そうやな。わかるわ。」
                  ・
 「4まである事にしとこか。」
                  ・
 馬の耳に念仏。
 糠に釘。
 暖簾に腕押し。
                  ・
 そして
                  ・
 さおりにつっこみ。
                  ・
                  ・
 「 たっちん。手を出すんじゃ無いよ。今夜のアタシは血が燃えたぎってるんだ。アタシに触るとヤケドするよ」  by 大沼ユミ 「ヤヌスの鏡より」
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