夫心妻知無

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2023.12.25

 先日、妻の担当で東京からご来店頂いているお客様に「いつもブログで最初に書いてあるやましなすと言う挨拶は山科で使われている共通言葉なのでしょうか。」と尋ねられました。誤解のないようにお伝えしておきます。

 

 はいその通りです。やましなす。

 

 という事で斉藤です。

 

 先週1週間ほどちょっとだけ無理をして予約を時間外にねじ込み仕事をしていました。

 

 (お店の営業日的には)週末に位置する6連勤最後の日曜日の朝、起きたら左目が少しぼやけていました。

 

 そのまま仕事をしていると、朝一のお客様から「斉藤さん目をどうされたんですか}と尋ねられました。

 

 ああちょっと目が朝からぼやけてるんですよね、何かなってますか。と聞き返した所「すごい赤くなってますよ」と言われました。

 

 充血か何かかと思って気にせず年末の挨拶を済ませて、次にいらしたお客様をセット台にご案内してカットをしていました。

 

 次のお客様からも「店長さん目大変な事になってますよ。」と言われました。

 

 そんなひどいんですか。さっきも言われたんですよね。と聞き返した所「血管切れてると思いますよそれ」と言われました。

 

 マジすか、と言って鏡をのぞき込んだら見た事無いような、さながら冷蔵庫に入れすぎて凝固し始めたコーヒーフレッシュを垂らしたコーヒーの水面のように左黒目の左側に真っ赤な血だまりが出来ていました。

 

 無理されないでくださいね。と心配されながらもお見送りをさせて頂きました。

 

 お客様たちの優しい言葉が年末繁忙期で疲れた私の体の中にぽわぁっと暖かいものとして流れてきたその時、チラ見すると妻は奥の席でお客様と楽しそうに会話をしていました。

 

 そして又次の男性のお客様が間髪入れずご来店され、席に座るや否や「おおきにさん目めっちゃ真っ赤っかになってますよ。どうしたん。」と尋ねられました。

 

 私は少し不安になりながらも、そうなんすよ見えてはいるので大丈夫と思うんですけどね。と答えました。

 

 なんか普通の赤じゃない色やから病院行った方がいいんとちゃいますか。と心配されて益々不安になりながらも平然を装いカットを終了させました。

 

 その後席を移動する合間、シャンプーの後の方付けの間、ちょっとした時間が出来ると鏡を近くでのぞき込み、左目をチェックする自分がいました。

 

 今まで見た事の無い自分の白目部分に見れば見るほど不安は募りましたが、つゆ知らぬ妻は相変わらず楽しそうに会話を続けていました。

 

 メンズのお客様の施術が終了し、レジで会計を済ませホウキでフロアを掃除してると、忙しかった本日の業務の中で初めて妻と店内ですれ違いざま目が合いました。

 

 私は右側に頭を振り、左目の赤色が妻に見えやすくなるような体勢に首を傾け、右手の人差し指でその部分を指してマスク越しに小声で妻に訴えました。

 

 ココ見て。左の所目ぇ赤いんやけど。

 

 私の告白に妻は別段動じることなく、目を閉じ首を静かにこくりと上下に一度だけ動かしてから私にこう答えてくれました。

 

 「疲れたらそうなる。」

 

 そして妻は押していたワゴンを準備室前に置いてからそのままの足でトイレへ入っていきました。

 

 その後次のお客様にも心を配って頂き、手の空いた妻と一緒に年末のご挨拶をしてお見送りした後、私の顔を確認してくれた妻がこう言いました。

 

 「あ。それ1週間くらいで治るから。」

 

 私の頭の中で、片方にはその日にご来店頂き私を心配してくれたお客様4人が乗ったお皿、もう片方に弓矢を掲げた妻が乗ったお皿の両天秤があり、大きく片方に傾きかけていたバランスの中、狙いを定めた笑顔の妻がお客様たちを一人ずつバキュンバキュンと射貫き、勢いよく逆の方向へガタンッと大きな音を立てて傾き落ちるシーンがイメージされました。

 

 長野のお母さんがよく同じようになっていたそうです。

 

 妻と結婚して今年で20年になりました。

 

 今年も彼女を捉える事はできなかったようです。

 

 今夜はクリスマス。皆様も楽しいひと時を過ごされる事と思いますが、明日から又気を取り直しお互いに2023年の残りの日を頑張って参りましょう。

 

 少し早いですが今年も一年ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

 

 来年も又どうぞよろしくお願いいたします。

 

 ちなみに年始恒例となったお年玉キャンペーンを又開催するかもしれませんがくれぐれも期待せずにお待ちください。

 

 どうぞ良いお年を。

 

 

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