前回のブログを読まれてない方はまずはこちらを御覧下さい。
→≪そして何も変わらなかった(序章)≫←
→≪そして何も変わらなかった(前編)≫←
→≪そして何も変わらなかった(中編)≫←
放送当日。
朝、知人達からの「いよいよ今日やね」というラインで我に返ります。
ほとんど一睡もしてないのでは無いだろうか。
でもお蔭で昨日までに心の整理は着いた。来るものは拒まず、流れに身を任せる事。
これは、今後も変化を恐れずそれに対応できる能力を自分に身に着けるための試練だと。
いつもとは違った朝日が窓辺、カーテンの隙間からこぼれていました。
天気予報は梅雨型の気圧配置で曇り時々雨。
目ざましテレビでのてんびん座の順位は最下位。ラッキーパーソンは塩味の牛肉。
朝。いつもの様に息子を保育園に送りつけながら、ふと考える。
もしかしたら明日からこうやってすれ違うママさん達の挨拶や見る目も違ってしまうのだろうか。
後ろ指刺されたり、見えない所でヒソヒソ話されてしまうかもしれない。
もう、人の目が気になってスマフォいじりながら出勤する事(ブログ書き歩き)も出来なってしまうかも。
そして店に入り掃除や準備が終わってから日課となった妻との朝礼が始まります。
時間はいつもより少し早い9時40分。放送10分前。
私「さおり(妻)。俺は経営者や。考える事が仕事なんえ。わかるか」
妻「うん。」
私「考え過ぎって思われるかもしれんけど、それが俺の仕事。だから今日まで出来る限りの事はやって来た。」
妻「・・・」
私「今日、10時くらいから電話がとんでもなくかかって来るかも知れへん。」
私「取り敢えず一番は既存のお客様に迷惑を掛けない事。これが一番。」
私「ひょっとしたら電話鳴りすぎて履歴見てかけ直すのも大変になるかも知れん。だからここに電話の番号とかけ直せたか分かる様にチェック表作っておいとく。」
私「お互い連絡をしっかりとって行こ。お昼ごはんはもしかしたら電話応対で食べれへんかもしれんけど覚悟しとこ。」
妻「食べれるときに食べとこうね。」
私「留守電にメッセージ入ってる人は最優先。入ってない人は申し訳ないけど後回しで行こう。」
妻「そうだね。今うち利用してくれてる人ならメッセージ入れてくれるもんね。」
私「うん。あと・・・あとさおりの身体が心配や。」
妻「なんで。」
私「俺の予約はほぼいつも通り埋まってるから。ご新規の方は出来ひんかもしれん。そうなると空いてる時間の多いアンタに担当してもらう事が多くなると思う。」
妻「そっか。」
私「・・・いつも迷惑かけてホンマゴメンな。でもすべては次のステップに進むための出来事や。1か月くらいしたらこういった騒動も収まるやろうから、それまでお互い頑張って行こうな。」
妻「二人ならできるよ。」
そういった少し絆を深めるような会話が夫婦間でなされました。
そしてよーいドン放映開始時間が過ぎ、10時にいつも通りお店をオープンしました。
朝一のお客様に「ひょっとしたら電話が鳴り続けるかもしれないですが気になされないでください」とだけ伝えて仕事を進めます。
それから20分ほどが過ぎそろそろ来るかな、と構えていましたが一向に電話が鳴る気配なし。
その後、気が付くと時計の短い針は11時を指してました。
「放映、押してるのかな。」
そう思いながら不気味な静けさの中仕事をしていると、裏からスマフォのラインの音がピコピコと続けてなり始めました。
仕事の合間、時間が少しできたのでラインを確認してみると税理士の先生や兄、友達から沢山のメッセージが届いてました。
友達「テレビ見たで。国宝おめでとうさん。」
あれ。もう放送終わったのか。
税理士の先生「見ました。面白かったです。儲かってる感全然出てませんでしたよ。」
カリスマなんちゃらの下りは(放映)無くなったのか。
兄「心配ご無用や。あれなら影響はない。」
マジですか。
一体どういった放送内容になっているか気になる所ですが、そこは営業中の身。とりあえず兄に「どんなふうに映ってた。」とだけ返信して仕事に戻りました。
そしてこの間電話はウンともスンとも言いません。
要約時間が開いたので兄からのラインの返信を見てみるとそこには
夫婦喧嘩メイン・・・
なんじゃこの。
この時の私の心境。本当にナンて行ったらいいのか分からないのですが、安堵感と落胆感がタイブレイクでリターン合戦している感じで心の奥底が無になっていました。
そしてこの間も相変わらず電話は全く鳴りません。
その後、その日の放送を見てくれたお客様方が来店され「テレビ見ましたよ」といって説明して下さり、少しずつ放送内容の全貌が見えてきます。
聞けば、どうやら本当に夫婦喧嘩がメインでその話題がクイズにもなったとの事。
クイズって・・・別にどうって言う結末じゃなかったぞ。
そしてそのまま実にあっけなくお店の紹介は終了したとの事。
私「放送で芸能人何チャラとか誰が来てるとか言ってました。」
お客様「ううん。そんなところ一切触れてへんかったよ。」
そしてその後、先に帰った妻からのテレビを見た感想などの連絡もありませんでした。
午後7時。
いつもよりやや店終いに時間がかかり、クタクタになりながら帰路に就きます。
家に着くと今日の放送を心待ちにして親戚中に電話をかけまくっていた母が1人ご飯を食べてました。
私が帰ってきているのに終始無言でした。
しばらくして母が仕事にもどったので、恐る恐る録画したデッキを再生してみました。
ホンマに喧嘩の話しだけやんかいさ。
死地に立っている訳でもないのに、今までのお客さま達との会話が走馬灯のように頭の中を流れていきます。
「私達の選んだオーキニーさんですもの。いずれかはこうなると思ってましたよ。」
「ええ。じゃあ12月まで予約取っておきます。」
「有名になるのが遅いくらいですよ。私も嬉しいです。」
「本当に好きな人は絶対これからもこのお店を必要としてくれますよ。」
「愉快犯も多いけどいい人がもっと来てくれるきっかけになるよ。」
「さおりが心配や。」
いやん。
全てまとめて顔からファイアー。
一時は本当に落ち込みました。
しかし、よくよく考えてみるとコレが最高の結末だったと気がつきます。
昨日までと何ら変わりのない毎日が明日からも続いていく。
お客様に迷惑も掛けず、税務署も来ず、ただテレビに少しだけ出た、そういう事実だけが残るだけ。
無理に変化を望んだ訳でもないし、今より有名になりたい訳でもない。
10週年目を最高の形で迎える為のオマケ、スターウォーズのペプシのボトルキャップみたいなものだったのです。
ダースベイダー欲しいのにウーキー族当たっちゃいましたけど。
お騒がせした皆様、又ご迷惑を掛けた方々本当に申し訳御座いませんでした。
オーキニーはこれからもよい意味で変わりません。
最後になりますが、テレビでオンエアーされることはありませんでしたがハチミツさんに尋ねられました。
「将来の夢とかありますか。」と。
思考回路停止状態で私が出した答え、それが本当の私に対しての答えだったと思います。
~将来の夢ですか。今、私達を必要としてくれているお客様達。なんか凄い雰囲気というか持ってる物が似てるんですよね。なので、この人とこの人を逢わせてみたら凄く仲良くなられるんじゃないかって良く思うんです。
しょーもないかも知れませんが何年か後にでもお店でパーティーを開きたいですね。通行人でも誰でも入って来れるような雰囲気の会場にして。楽しい融合起こりそうで(笑)~
ホンマこれが全て。恥ずかしいけどお客様最高な人ばかり。
よーいドンさん、楽しい思い出を頂きまして本当にありがとうございました。
変わらなくていい。それを再確認出来る素敵な事件でした。
鼻の穴少し大きくなっちゃいましたけどね。
あ。斉藤広観全然元気ですから(笑)
終わり
最後まで長々と読んで頂いて有難うございました。店主
前回のブログを読まれてない方はまずはこちらを御覧下さい。
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放送当日。
朝、知人達からの「いよいよ今日やね」というラインで我に返ります。
ほとんど一睡もしてないのでは無いだろうか。
でもお蔭で昨日までに心の整理は着いた。来るものは拒まず、流れに身を任せる事。
これは、今後も変化を恐れずそれに対応できる能力を自分に身に着けるための試練だと。
いつもとは違った朝日が窓辺、カーテンの隙間からこぼれていました。
天気予報は梅雨型の気圧配置で曇り時々雨。
目ざましテレビでのてんびん座の順位は最下位。ラッキーパーソンは塩味の牛肉。
朝。いつもの様に息子を保育園に送りつけながら、ふと考える。
もしかしたら明日からこうやってすれ違うママさん達の挨拶や見る目も違ってしまうのだろうか。
後ろ指刺されたり、見えない所でヒソヒソ話されてしまうかもしれない。
もう、人の目が気になってスマフォいじりながら出勤する事(ブログ書き歩き)も出来なってしまうかも。
そして店に入り掃除や準備が終わってから日課となった妻との朝礼が始まります。
時間はいつもより少し早い9時40分。放送10分前。
私「さおり(妻)。俺は経営者や。考える事が仕事なんえ。わかるか」
妻「うん。」
私「考え過ぎって思われるかもしれんけど、それが俺の仕事。だから今日まで出来る限りの事はやって来た。」
妻「・・・」
私「今日、10時くらいから電話がとんでもなくかかって来るかも知れへん。」
妻「うん。」
私「取り敢えず一番は既存のお客様に迷惑を掛けない事。これが一番。」
私「ひょっとしたら電話鳴りすぎて履歴見てかけ直すのも大変になるかも知れん。だからここに電話の番号とかけ直せたか分かる様にチェック表作っておいとく。」
妻「うん。」
私「お互い連絡をしっかりとって行こ。お昼ごはんはもしかしたら電話応対で食べれへんかもしれんけど覚悟しとこ。」
妻「食べれるときに食べとこうね。」
私「留守電にメッセージ入ってる人は最優先。入ってない人は申し訳ないけど後回しで行こう。」
妻「そうだね。今うち利用してくれてる人ならメッセージ入れてくれるもんね。」
私「うん。あと・・・あとさおりの身体が心配や。」
妻「なんで。」
私「俺の予約はほぼいつも通り埋まってるから。ご新規の方は出来ひんかもしれん。そうなると空いてる時間の多いアンタに担当してもらう事が多くなると思う。」
妻「そっか。」
私「・・・いつも迷惑かけてホンマゴメンな。でもすべては次のステップに進むための出来事や。1か月くらいしたらこういった騒動も収まるやろうから、それまでお互い頑張って行こうな。」
妻「二人ならできるよ。」
そういった少し絆を深めるような会話が夫婦間でなされました。
そしてよーいドン放映開始時間が過ぎ、10時にいつも通りお店をオープンしました。
朝一のお客様に「ひょっとしたら電話が鳴り続けるかもしれないですが気になされないでください」とだけ伝えて仕事を進めます。
それから20分ほどが過ぎそろそろ来るかな、と構えていましたが一向に電話が鳴る気配なし。
その後、気が付くと時計の短い針は11時を指してました。
「放映、押してるのかな。」
そう思いながら不気味な静けさの中仕事をしていると、裏からスマフォのラインの音がピコピコと続けてなり始めました。
仕事の合間、時間が少しできたのでラインを確認してみると税理士の先生や兄、友達から沢山のメッセージが届いてました。
友達「テレビ見たで。国宝おめでとうさん。」
あれ。もう放送終わったのか。
税理士の先生「見ました。面白かったです。儲かってる感全然出てませんでしたよ。」
カリスマなんちゃらの下りは(放映)無くなったのか。
兄「心配ご無用や。あれなら影響はない。」
マジですか。
一体どういった放送内容になっているか気になる所ですが、そこは営業中の身。とりあえず兄に「どんなふうに映ってた。」とだけ返信して仕事に戻りました。
そしてこの間電話はウンともスンとも言いません。
要約時間が開いたので兄からのラインの返信を見てみるとそこには
夫婦喧嘩メイン・・・
なんじゃこの。
この時の私の心境。本当にナンて行ったらいいのか分からないのですが、安堵感と落胆感がタイブレイクでリターン合戦している感じで心の奥底が無になっていました。
そしてこの間も相変わらず電話は全く鳴りません。
その後、その日の放送を見てくれたお客様方が来店され「テレビ見ましたよ」といって説明して下さり、少しずつ放送内容の全貌が見えてきます。
聞けば、どうやら本当に夫婦喧嘩がメインでその話題がクイズにもなったとの事。
クイズって・・・別にどうって言う結末じゃなかったぞ。
そしてそのまま実にあっけなくお店の紹介は終了したとの事。
私「放送で芸能人何チャラとか誰が来てるとか言ってました。」
お客様「ううん。そんなところ一切触れてへんかったよ。」
そしてその後、先に帰った妻からのテレビを見た感想などの連絡もありませんでした。
午後7時。
いつもよりやや店終いに時間がかかり、クタクタになりながら帰路に就きます。
家に着くと今日の放送を心待ちにして親戚中に電話をかけまくっていた母が1人ご飯を食べてました。
私が帰ってきているのに終始無言でした。
しばらくして母が仕事にもどったので、恐る恐る録画したデッキを再生してみました。
ホンマに喧嘩の話しだけやんかいさ。
死地に立っている訳でもないのに、今までのお客さま達との会話が走馬灯のように頭の中を流れていきます。
「私達の選んだオーキニーさんですもの。いずれかはこうなると思ってましたよ。」
「ええ。じゃあ12月まで予約取っておきます。」
「有名になるのが遅いくらいですよ。私も嬉しいです。」
「本当に好きな人は絶対これからもこのお店を必要としてくれますよ。」
「愉快犯も多いけどいい人がもっと来てくれるきっかけになるよ。」
「さおりが心配や。」
いやん。
全てまとめて顔からファイアー。
一時は本当に落ち込みました。
しかし、よくよく考えてみるとコレが最高の結末だったと気がつきます。
昨日までと何ら変わりのない毎日が明日からも続いていく。
お客様に迷惑も掛けず、税務署も来ず、ただテレビに少しだけ出た、そういう事実だけが残るだけ。
無理に変化を望んだ訳でもないし、今より有名になりたい訳でもない。
10週年目を最高の形で迎える為のオマケ、スターウォーズのペプシのボトルキャップみたいなものだったのです。
ダースベイダー欲しいのにウーキー族当たっちゃいましたけど。
お騒がせした皆様、又ご迷惑を掛けた方々本当に申し訳御座いませんでした。
オーキニーはこれからもよい意味で変わりません。
最後になりますが、テレビでオンエアーされることはありませんでしたがハチミツさんに尋ねられました。
「将来の夢とかありますか。」と。
思考回路停止状態で私が出した答え、それが本当の私に対しての答えだったと思います。
~将来の夢ですか。今、私達を必要としてくれているお客様達。なんか凄い雰囲気というか持ってる物が似てるんですよね。なので、この人とこの人を逢わせてみたら凄く仲良くなられるんじゃないかって良く思うんです。
しょーもないかも知れませんが何年か後にでもお店でパーティーを開きたいですね。通行人でも誰でも入って来れるような雰囲気の会場にして。楽しい融合起こりそうで(笑)~
ホンマこれが全て。恥ずかしいけどお客様最高な人ばかり。
よーいドンさん、楽しい思い出を頂きまして本当にありがとうございました。
変わらなくていい。それを再確認出来る素敵な事件でした。
鼻の穴少し大きくなっちゃいましたけどね。
あ。斉藤広観全然元気ですから(笑)
終わり
最後まで長々と読んで頂いて有難うございました。店主