せやけどもや

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2023.02.24

 人一人通れる雪の轍(わだち)では満足できない女性の物語。

 

 やましなすオーキニャーの皆様実にお久しぶりなブログアップとなりました。先日お客様のお勧めで五条イオンの凄く当たると有名な占い師さんに占ってみてもらったところ、この世に生を受けた瞬間からどうやら「気遣い」の達人になるべき運命だったことが判明した男斉藤です。

 

 誕生した日と時間で人間て殆どの人格が形成されるものなんですね安西先生。

 

 報告すべき出来事は山のようにあるのですが事務作業とイベント作成の為全然ブログを書く時間がありませんでした。又今年もこれを機にちょくちょくくだらない文章を書き始めたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

 1月末に山科、いや日本各地にとてつもない寒波が襲来して人々の生活を脅かす事態が発生しました。

 

 皆様にも記憶に新しい出来事だと思いますが、その日の朝はいつもより早く起きて6時半頃から一人でお店の準備を終えて、小一時間程三条通からお店へと続く道の雪かきをしました。

 

 幅にして1m程の人的轍(わだち)を東西に掘り進んだ事により汗と雪まみれになったので着替え直し漸く一服つけて暫くしてお客様のお迎えの時間となりました。

 

 早速朝一のお客様から「お店の前の道雪かきしてくれてたんですね。ご主人がされたんですかご苦労様です。」とのお声をいただきました。

 

 謙遜しながら「大したことじゃない」と答えた私の中でやって良かったと喜びの感情が飛び跳ねていたのは想像に容易い事。というか気遣いの達人ですから当然の事をしたまでです。

 

 その後お昼に遠くからご来店予定だった妻担当のお客様からキャンセルの電話が入り、妻の時間に2時間程空きが出来ました。

 

 その時間を使って妻が店の前の人的轍の左右に積もっている雪を再びかき始め、広い轍を作り始めました。

 

 その動作は雪国出身である事を思い出させてくれるには十分すぎるほど手際良く、私も店内で仕事をしながらではありますが感心せざるをえません動きでした。

 

 その後妻の担当のお客様がご来店され、シャンプー台で妻が準備をしている際お客様が同じように妻に尋ねてこられてました。

 

 「店の前の道、雪かきしていただけたんですね。足場安心して歩いて来られました。」

 

 大雪の中皆様のそういったお声がどれだけ暖かく感じれるの事でしょうか。雪かきしてよかった。そう心の中で感じ思っていた矢先、妻がその方に応えました。

 

 「さっき私のお客様がキャンセルになって急に時間が出来たんで全部一人でやっちゃいました。雪かきは慣れてましたけど久しぶりにやったら疲れますね。」

 

 ・・・

 

 そこへ私の担当のお客様がご来店されて又同じようにフロントで轍についてお話しされてきました。

 

 「歩きやすかったです。あれご主人大変だったでしょう。」

 

 私はその問いに対して少し自分の中に違和感を感じながら

 

 「いや。私はちょっとやっただけでさっき妻が一所懸命雪かきしてくれました。」

 

 と自分の中の何かを抑えながら答えました。

 

 その後妻の業務時間が終わり、妻は店の外で楽しそうに子供たちと雪ダルマを作っていました。

 

 窓越しに見ている時、夕方ラストのお客様が来店され、又同じように「道キレイに整備されてますね。あれ気が利きますよね」と声をかけてきて下さいました。

 

 私は「全部妻のお陰です。」とだけ答えました。

 

 妻は間違ってない。女性の力で大変なのにお客様の為によくやってくれました。それだけの良い話。

 

 しかし何故だろう私は何に対して悔しい思いになっているのであろう。

 

 雪は時に自分という人間のスケールの小ささを感じさせてくれます。

 

 私の広観という名前。物事を広く観る心を持つ男に育ってくれるよう両親がつけてくれた素晴らしい名前。

 

 自分の名に恥じないよう、今年もまだまだ足りない自分を成長させられるよう励みたいと思います。

 

 

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