金庫を買えば店主が痩せるPart2

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2021.04.07

 やましなす皆様。くだらないブログを書くのは実に久しぶりとなりますがお元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

 「御陵」の「御」の漢字で真ん中にある午と正を足して2で割ったような部分を、最近まで「缶」と書いていた書道家の母に何を教わって来たのか、と怒られそうで残念な男斉藤です。

 

 先日息子ととある施設に遊びに行った際、施設内で縁日をしていて遊びの一つにスーパーボールすくいがありました。

 

 「お父さんコレ僕やってみたい。」

 

 以前四宮祭りで息子がスーパーボールすくいにチャレンジした時、3つくらいとってタモを破っていたので、どうせすぐ破ると思いながらもチャレンジさせたところ、予想に反して息子は担当のお姉さんに「達人だ」と絶賛され、カップに入りきらなくなって終了するという結果になり、縁日中のヒーローになっていました。

 

 その数31個。

 

 そう言えば、8年程前にこちらのブログで「金庫を買えば店主が痩せる」と言うブログを書いたことがありました。

 

 今回のブログは、下手くそだった息子が何故急にこれほどまでに上達してしまったのか。意外な行動が産んだ副産物。風が吹けば桶屋が儲かるなその理由を父親として誇りをもって紹介したいと思います。

 

  相変わらず長いだけのくだらないブログになりますので暇な人以外はどうぞご勘弁ください。

 

 美容業をしているとお客様と接客中に色々お話が出来ます。

 

 その中には借金の返し方や踏み倒し方、妻の喜ばせ方や夫の許せない行動など私にも直結した大変ありがたいお話があるのですが、そんな皆様の経験の中で「聞かされた限りは自分はそうなっていけない」と心から思える教訓があります。

 

 それは年頃の女の子がいるお父さんと話していて「娘に嫌われている」という類の話を聞かされた話でした。

 

 嫌われている度合いとしては「洗濯物は別にして」<「先にトイレに入らないで」<「部屋に入るな」<「目の前を横切るな」≦「私の背後に立つな(ゴルゴ13)」などあります。

 

 お客様からそういった「娘に嫌われている」系の話を伺い、一通り語り終わった後の背中とつむじから漂う哀愁の漂い方が大迫半端ねえ訳です。

 

 私はこれらの話を他人事と捉える事が出来ませんでした。

 

 程無く娘を授かり、先輩方の経験を無駄にしない為にある答えにたどり着きました。

 

 「汚い存在だと思われてはいけない。」

 

 時は過ぎ、一緒にお風呂に入ってくれていた娘が年頃になってから恥ずかしがるようになり、妻のように私と入浴する事を拒むようになり始めました。

 

 今まで、私の仕事が終わり家に帰る時間は大体19時30分から20時30分。その時間には家族は殆ど入浴をすませていて私の入浴が最後になるのが当たり前でした。

 

 約1年半前。旧店舗近くに店舗兼住宅を手に入れ、仕事が終わると二階に上がればリビングという環境になりました。

 

 同じくして娘が中学に進学して部活が始まり帰宅が遅くなり始めました。

 

 そしてその日がやってきました。

 

 ある日、妻(母)から早くお風呂に入れと注意され、指図される事もしくはすぐ行動する事が面倒になったのか、彼女はさり気なくこう言いました。

 

 娘「ん。お父さん先入っていいよ。」

 

 私にとって、家庭を持ってから初めて入浴3番手の機会を与えてもらえた訳です。

 

 緊張感を持ちながらもいつものようにシャワーで軽く身体を流しました。

 

 いつもと同じように浴槽に浸かる前に頭と身体を洗いました。

 

 いつもより澄んで見える浴槽に疲れた身体を浸けながらふと考えました。

 

 この後、しーちゃん(娘)入りよるんか。

 

 5分程色々考えながら入浴していて、いつもと違い風呂桶を手に取りました。

 

 抜け毛を探し見つけてはすくいました。

 

 体の位置を変え死角に入っていた所すらチェックし隈(くま)なくすくいました。

 

 浴槽から出て、洗い場に座り込んで少なくなってしまったお湯を注ぎ足し、浴槽内に目を細めて湯の流れで上がってくる細い抜け毛を見つけすくい直しました。

 

 浴槽に蓋をしようと手に取るとなんだか表面がヌルっとしてる気がしてしまい軽く洗剤で洗いました。

 

 シャワーの側にある鏡にペンキを塗る要領で掌で全面にシャンプー剤を薄くつけました。

 

 浴槽の縁もヌメっていてはいけないのでその手でそのまま磨いて綺麗にしました。

 

 その後、バスタオルで身体の水気を拭きながら抜け剥がれ落ちる体毛をシャワーで排水溝まで流しました。

 

 下着を履き再び体毛が放出されなくしてから、掃除用のスポンジにシャンプー剤をつけて「匂い付け」及び「臭い消し」の為洗い場の床を軽く掃除しました。

 

 一度浴室を出て洗面所で服を着てからもう一度浴室内を確認して、わざとらしくない程度にシャンプーの匂いがしている事を確認してから再び毛が落ちていない事を再確認しました。

 

 その後いつもと変わらない素振りでリビングまで戻り、娘に「お先」とだけ伝えました。

 

 平然を装いながらスマホを弄っていた宿主をよそに、正直な心臓は8ビートを刻んでいました。

 

 結果が分からず寝つきにくい夜を過ごし、審判の次の日の夜。

 

 「デジャヴか」と言う位同じ感じで妻と娘が風呂に入れの催促の会話をした際、娘の口から

 

 「ん。おとう。また先入るか。」

 

 という言葉を無事に聞く事が出来たのです。

 

 私は家族にバレないように浴室にコッソリ缶チューハイを持ち込み、入浴しながら1人で祝杯をあげました。

 

 それから次の休みの日に百均と西友を梯子してこの商品をゲットしました。

 

三種の神器

 

 私はこのアイテムを「娘を持つ父親にとっての三種の神器 」の一つとして我が家に正式に迎え入れました。

 

 それからと言うもの毎晩私がお風呂に入った際、くつろぐよりも毛をすくっているのに時間を費やしていました。

 

 ヌメリ取りはわざとらしくならない様ケースバイケースで適度に行いました。

 

 しばらくして息子がスイミングを習い始めたのですが、曜日が店の休みの月曜日だった為、その送り向かいを私がする事になりました。

 

 ですので夕方にスイミングから帰って来てその足で私と息子、父子でお風呂に入るのが月曜日の習慣となりました。

 

 休みの日、妻は16時にお風呂に入るのが基本なので、やはりこの後の最後の入浴は娘と言う事になります。

 

 息子とお風呂に入りながらも三種の神器を使ってひたすら毛をすくう私に対して息子が言ってきました。

 

 「お父さん。なんでいつも毛をすくってばかりいるの。」

 

 説明も面倒だったので、それとなく「それはお前が娘を持つようになればわかる」とだけ伝えました。

 

 その内息子が「僕もすくいたい」と言い出して、キャッチネットを手に毛を探し始めるようになりました。

 

 「薄い毛とか短い毛は逃げないように浅めに網を入れないと見失うぞ」

 

 まず最初に毛を水面(みなも)近くにおびき寄せる。そしてネットを入水(入湯)する際、接地面積を広くしてしまうと表面付近の流れが渦を巻いて、細い毛はクルクルと飲み込まれてしまい何処かへ逃げてしまう、という私の難しい理論を「こう。そうかこういう感じなん。風呂の呼吸みなもぎりぃ。」と言いながら飲み込む息子。

 

 そういう会話をしながら何気なく、時に制限時間を付けたりノルマを設けたりして毎週楽しんでいました。

 

 

 

 長くなりましたが、縁日で息子がヒーローになった理由。皆様もこれでお分かりですよね。

 

 娘から先風呂許可が下りれば息子が縁日でヒーローになる。

 

 時が流れ息子の前にいつか素敵な人が現れ、その人と結ばれる日が来るかもしれません。

 

 そして程無く女の子、私にとっては孫という存在が産まれてくるかもしれません。

 

 その時彼は、きっと今回の事を思い出し風呂で毛をすくうでしょう。

 

 それを見た子供、私にとってのひ孫か誰かに継承されていくでしょう。

 

 娘よ。そしてネットキャッチャーよありがとう。

 

 そして息子よ。ごく平凡な幸せをつかめ。そして女性に紳士であれ。

 

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取りすぎと言われ

 

 

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