King of Fighters 略して KOF。
キングオブファイターズ。俺が一番強い。そしてもっと強い奴と戦いたい。
おはようございます。今回はチョットおたくな内容になってしまいますがご了承ください。
洗濯機のドラムの側面についている粉末洗剤を入れる開閉式のポケットが、ドラムをグルっと回さなくても良い位置に見えていると、ちょっぴり幸せな気持ちになれる男斉藤です。
皆様はキングオブファイターズと言うゲームをご存知でしょうか。
勿論ご存知ないですよね。
キングオブファイターズとは、私が成人する前あたりの年にゲームセンターで流行っていた、格闘(プレーヤーとプレーヤーが喧嘩する)ゲームです。
東京で美容師になりたての頃、ストレスを発散させに池袋のゲームセンターに100円玉をシコタマ持ってこのゲームをやりにいってました。
このゲームなんですが、柔道や空手の試合と同じように、3人一組のチームで勝ち抜き戦をするようになっています(柔道は5人ですが)。
こんな感じで先鋒、副将、大将みたいになっていて1対1で決闘しながら相手の3人を先に倒した方が勝ちというゲームです。
コントローラーのボタンがパンチやキックになっていて、それらの攻撃を駆使しながら相手の体力を減らしてゼロにすれば相手をKO(ノックアウト)出来ます。
ニンテンドースイッチで遊んでいると、この昔のゲームがダウンロードで遊べることを知り懐かしさのあまり即購入してしまいました。
程無く、私がこのKOFで遊んでいる姿を見て、息子(4歳)がやたらと興味を持ちだしたので試しにコントローラーを一つ渡して、二人で遊んで(対戦して)あげるようになりました。
勿論、息子は未だうまく操作できないので私が手加減して、ワザと「ああ、やばい。」等と言って殴られに行ったり調整してあげ、息子に勝たせてあげていました。
それ(手加減する事)が親たるものの義務だと信じていました。
それからと言うもの気を良くした息子は、私に時間が出来ると「おとうさん。あれしよたたかうやつ。アオクンめっちゃつよいで。」と笑顔でせがんでくるようになりました。
その度に「全力で戦ったけど負けちゃった父親」という配役をこなし、美容室じゃなく劇団ひまわりに就職していた方が良かったのではないかと、後悔すら感じるようになっていました。
先日の休みの日、息子とこのKOF(キングオブファイターズ)をやっている時に事件は起こりました。
コインランドリーから帰ってきた妻が、部屋に入ってくるなり
「ああ。このゲームお母さん知ってる。懐かしい。」
と言って興味を示し始めました。
洗濯物を片付けながら横目で見ていると、どうやら息子が私をやっつけているのに感動したらしく「ええ。アオクン上手いんだね。すごぉい。」としきりに息子を褒めていました。
それを聞いて益々調子に乗り始める息子。
「おかあさんアオクンな。このおっきいおとこのひとでおとうさんガーンってやっつけるのめっちゃうまいねん。」
そのやり取りを聞きながら幸せと何故か少しの不安を感じていた私に悪魔の手が忍び寄りました。
「私もやらせて。」
妻が突然私もやらせろと言い出しました。どうやら息子とスキンシップを取りたがっている様子。
「・・・大丈夫か。」
そういう私に笑顔で「知ってるよ。ここでパンチとかキックするんだよね。」と答える妻。
いや操作方法の問題ではないんだけど、とも思いましたがとりあえずプレイ中ではありましたがコントローラーを渡しました。
その時私のチームは既に息子に先鋒がKOされており、人数が残り二人に減っていました。
「蒼くん、お母さん負けないからね。」
そう言って間もなく試合の開始を告げるアナウンスがテレビ画面から聞こえてきました。
「ラウンド2.レディゴー。」
お母さんやっつける、そう言って粋がっていた息子が操作するキャラクターに怒涛の如く非情なパンチキックを浴びせる妻。
開始5秒ほどで息子のキャラクターが相手にダメージをほとんど浴びせることなく倒れてしまいました。
「やった。お母さん凄いでしょ。」
自分の思うようにキャラクターを動かせて嬉しそうな妻。そしてその隣には表情を曇らせた息子が黙ってテレビ画面を見つめていました。
「ラウンド3、レディゴー。」
ビシッガシッグッグッ。
もはやサンドバック状態の息子のキャラクター。隣で見ていると胸がドンドン締め付けられ辛い気持ちになっていきます。
かろうじで当たった息子のパンチが妻のキャラクターの体力を1mm程度減らした状態で、副将戦が終了。
息子は半泣きの顔になっていました。
妻は決して自分が上手だからなのでは無いことを若干感じ取ったのか「あれ」と言う顔になっていました。
「ラウンド4、レディゴー。」
もはや後がなくなった息子の最後のキャラクター。涙をこらえながら一生懸命にボタンを連打する息子に対して、妻もやや遠慮気味のパンチを繰り出し応戦ていました。
しばらくしてから息子のキャラクターの体力が残りわずかになりました。
要約妻が事の重大さに気が付きボタンを押す指の動きを止めました。
そして何を思ったのか
「はいお父さん。パス。私の代わりに戦ってね。」
そう言って私にコントローラーを手渡すや否や「私ちょっと夕飯の用意するね。」と言ってリビングを出ていきました。
その後、少しでもパンチが当たろうものならダウンしてしまう息子の瀕死のキャラクター相手に、今までで一番緊張した戦いをさせられました。
長年ゲームをしてきましたが、絶対に攻撃が当たらないところでだけパンチを出すと言う事が、これほどまでに難しいとは思ってもいませんでした。
私の大将のキャラクターが倒され画面が真っ赤に染まり、息子のキャラクターが画面で堂々と勝利のポーズを決めました。それを見て味わったことの無い安堵感に包まれる私。
息子はよほど嬉しかったのかコントローラーを投げ捨て立ち上がり、見せたことの無い物まねを私に向って声高々に披露してくれました。
「いえーい。じゃすてぃーす。」
うっすらと目に涙を浮かべた息子の顔を見て、若い頃からゲームが上手になるようお金をかけて来て本当に良かったなと自分を褒めてあげました。
このゲームの勝者は息子。そして敗者は私。妻は・・・何なんだアンタは。
KOF(キングオブファイター)ならぬKYF(空気読めないファイター)。彼女がいる時は出来るだけゲームをやらないようにしようと息子と約束をしてからそっと電源ボタンを切りました。
因みにそれ以来、息子はKOFをやりたがらなくなったのですが、これも彼女の考え抜かれた子育て法(ゲームを嫌いにさせる方法)なのでしょうか誰か教えてください。
King of Fighters 略して KOF。
キングオブファイターズ。俺が一番強い。そしてもっと強い奴と戦いたい。
おはようございます。今回はチョットおたくな内容になってしまいますがご了承ください。
洗濯機のドラムの側面についている粉末洗剤を入れる開閉式のポケットが、ドラムをグルっと回さなくても良い位置に見えていると、ちょっぴり幸せな気持ちになれる男斉藤です。
皆様はキングオブファイターズと言うゲームをご存知でしょうか。
勿論ご存知ないですよね。
キングオブファイターズとは、私が成人する前あたりの年にゲームセンターで流行っていた、格闘(プレーヤーとプレーヤーが喧嘩する)ゲームです。
東京で美容師になりたての頃、ストレスを発散させに池袋のゲームセンターに100円玉をシコタマ持ってこのゲームをやりにいってました。
このゲームなんですが、柔道や空手の試合と同じように、3人一組のチームで勝ち抜き戦をするようになっています(柔道は5人ですが)。
こんな感じで先鋒、副将、大将みたいになっていて1対1で決闘しながら相手の3人を先に倒した方が勝ちというゲームです。
コントローラーのボタンがパンチやキックになっていて、それらの攻撃を駆使しながら相手の体力を減らしてゼロにすれば相手をKO(ノックアウト)出来ます。
ニンテンドースイッチで遊んでいると、この昔のゲームがダウンロードで遊べることを知り懐かしさのあまり即購入してしまいました。
程無く、私がこのKOFで遊んでいる姿を見て、息子(4歳)がやたらと興味を持ちだしたので試しにコントローラーを一つ渡して、二人で遊んで(対戦して)あげるようになりました。
勿論、息子は未だうまく操作できないので私が手加減して、ワザと「ああ、やばい。」等と言って殴られに行ったり調整してあげ、息子に勝たせてあげていました。
それ(手加減する事)が親たるものの義務だと信じていました。
それからと言うもの気を良くした息子は、私に時間が出来ると「おとうさん。あれしよたたかうやつ。アオクンめっちゃつよいで。」と笑顔でせがんでくるようになりました。
その度に「全力で戦ったけど負けちゃった父親」という配役をこなし、美容室じゃなく劇団ひまわりに就職していた方が良かったのではないかと、後悔すら感じるようになっていました。
先日の休みの日、息子とこのKOF(キングオブファイターズ)をやっている時に事件は起こりました。
コインランドリーから帰ってきた妻が、部屋に入ってくるなり
「ああ。このゲームお母さん知ってる。懐かしい。」
と言って興味を示し始めました。
洗濯物を片付けながら横目で見ていると、どうやら息子が私をやっつけているのに感動したらしく「ええ。アオクン上手いんだね。すごぉい。」としきりに息子を褒めていました。
それを聞いて益々調子に乗り始める息子。
「おかあさんアオクンな。このおっきいおとこのひとでおとうさんガーンってやっつけるのめっちゃうまいねん。」
そのやり取りを聞きながら幸せと何故か少しの不安を感じていた私に悪魔の手が忍び寄りました。
「私もやらせて。」
妻が突然私もやらせろと言い出しました。どうやら息子とスキンシップを取りたがっている様子。
「・・・大丈夫か。」
そういう私に笑顔で「知ってるよ。ここでパンチとかキックするんだよね。」と答える妻。
いや操作方法の問題ではないんだけど、とも思いましたがとりあえずプレイ中ではありましたがコントローラーを渡しました。
その時私のチームは既に息子に先鋒がKOされており、人数が残り二人に減っていました。
「蒼くん、お母さん負けないからね。」
そう言って間もなく試合の開始を告げるアナウンスがテレビ画面から聞こえてきました。
「ラウンド2.レディゴー。」
お母さんやっつける、そう言って粋がっていた息子が操作するキャラクターに怒涛の如く非情なパンチキックを浴びせる妻。
開始5秒ほどで息子のキャラクターが相手にダメージをほとんど浴びせることなく倒れてしまいました。
「やった。お母さん凄いでしょ。」
自分の思うようにキャラクターを動かせて嬉しそうな妻。そしてその隣には表情を曇らせた息子が黙ってテレビ画面を見つめていました。
「ラウンド3、レディゴー。」
ビシッガシッグッグッ。
もはやサンドバック状態の息子のキャラクター。隣で見ていると胸がドンドン締め付けられ辛い気持ちになっていきます。
かろうじで当たった息子のパンチが妻のキャラクターの体力を1mm程度減らした状態で、副将戦が終了。
息子は半泣きの顔になっていました。
妻は決して自分が上手だからなのでは無いことを若干感じ取ったのか「あれ」と言う顔になっていました。
「ラウンド4、レディゴー。」
もはや後がなくなった息子の最後のキャラクター。涙をこらえながら一生懸命にボタンを連打する息子に対して、妻もやや遠慮気味のパンチを繰り出し応戦ていました。
しばらくしてから息子のキャラクターの体力が残りわずかになりました。
要約妻が事の重大さに気が付きボタンを押す指の動きを止めました。
そして何を思ったのか
「はいお父さん。パス。私の代わりに戦ってね。」
そう言って私にコントローラーを手渡すや否や「私ちょっと夕飯の用意するね。」と言ってリビングを出ていきました。
その後、少しでもパンチが当たろうものならダウンしてしまう息子の瀕死のキャラクター相手に、今までで一番緊張した戦いをさせられました。
長年ゲームをしてきましたが、絶対に攻撃が当たらないところでだけパンチを出すと言う事が、これほどまでに難しいとは思ってもいませんでした。
私の大将のキャラクターが倒され画面が真っ赤に染まり、息子のキャラクターが画面で堂々と勝利のポーズを決めました。それを見て味わったことの無い安堵感に包まれる私。
息子はよほど嬉しかったのかコントローラーを投げ捨て立ち上がり、見せたことの無い物まねを私に向って声高々に披露してくれました。
「いえーい。じゃすてぃーす。」
うっすらと目に涙を浮かべた息子の顔を見て、若い頃からゲームが上手になるようお金をかけて来て本当に良かったなと自分を褒めてあげました。
このゲームの勝者は息子。そして敗者は私。妻は・・・何なんだアンタは。
KOF(キングオブファイター)ならぬKYF(空気読めないファイター)。彼女がいる時は出来るだけゲームをやらないようにしようと息子と約束をしてからそっと電源ボタンを切りました。
因みにそれ以来、息子はKOFをやりたがらなくなったのですが、これも彼女の考え抜かれた子育て法(ゲームを嫌いにさせる方法)なのでしょうか誰か教えてください。