忙しい朝

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2016.11.27

 おはようございます。今朝久しぶりにファミリーマートによってカレーまんを購入して食べたところ、久しぶりにカレーまんの底についているペラッペラの紙まで一緒に食べてしまってペッペッしてしまった男斉藤さんだぞぺっぺっぺぇ。

 

 斉藤家の朝はいつも早く始まります。

 

 その中でも妻は東野で有名な早起きレディでして、午前4時頃から活動を始めます。

 

 私も久保田君のお陰で現在では、朝は6時半頃に起きれるようになったのですが、目を覚ますとリビングでは既に加湿器やコタツのシューっと言う生活環境を整える音。台所ではトントントンとリズミカルな包丁のお弁当を作る音、そして風呂場からは洗濯機の回転音が静かに聞こえてきます。

 

 その傍(かたわ)らで、息子が絵本やおもちゃを広げながら「ママー牛乳。」と忙しそうな妻をメイドか執事のように呼びつけ、その声に即座に手を止めてニコニコ顔で牛乳をレンジでチンして用意する妻。

 

 私は洗面所で顔や歯、己(おのれ)を磨いています。

 

 そんなん横で見てるならアンタ手伝ってやれよ。

 

 そんな声が聞こえてきそうなものですが何というのでしょうか、妻には妻のリズムがありそれを崩すことはマイナスになる事が多い事を知りましたし、偶に気が向いたときに手伝いに向かうのですが長続きすることがありません。

 

 息子もそれが分かっているらしく、私がどれだけ横にいて暇そうにテレビやスマフォを見ていようとも遠くで忙しそうにしている母親を呼びつけています。

 

 私が出来る事と言えば、「いつもありがとう」という感謝やねぎらいの言葉をかけることくらい。

 

 そんな毎朝の家族の安心と時間を作ってくれている妻の「朝の家事が一通り終わったあとの楽しみ」がメイクをしながら要れたてのコーヒーを飲む事です。

 

 ここで普通の優しいご主人なら、まず最初に「妻の負担を軽減させるために夫が出来る家事を見つけて担当として日課にする」と言うものなのでしょうが、心優しくない私が妻に対して何かしてあげられる事は無いものか、と思ってチョイスしたものがコレでした。

 

 

 コーヒーミル。

 

 いわゆるマメの状態のコーヒーを挽く道具です。これには妻もずっと欲しかったらしく、無駄遣いをまたもやしてしまった夫に対し怒るどころかとても喜んでくれました。

 

 そしてこのコーヒーミルの他にも抜かりなく、オシャレな容器とコーヒーの豆を適量で抄(すく)える計量スプーンも購入したのは言うまでもありません。

 

 

 妻には「3千円くらいやったし大丈夫」と言いましたが実際9千円ほどかかってしまっているのは勿論内緒。

 

 それから二日後、この事が斉藤家の朝の時間に、又新しい展開を運んでくれる事になりました。

 

 因みに二杯分のコーヒー豆を挽くのに手動で2~3分グルグルとソコソコの力量でハンドルを回さないといけません。

 

 

 最初のうちは私を含め家族全員で「私に挽かせて(回させて)」という奪い合いになっていたコーヒーミルでしたが、一人また一人とその数も減っていき、最近では子供たちは手が疲れるという理由からほとんど興味を示さなくなりました。

 

 自らのリズムである「家事が終わった後のコーヒー」のタイミングを変えられるのが嫌な妻は、私が起きてコーヒーミルを挽き出すのが遅いと、先に普通の挽いてある方のコーヒーをフィルターにセットして既にドリップを完了してしまっていました。

 

 私「あれ。今日はミル回してないの。」

 

 そんな言葉に「うん疲れちゃって。」と残念そうに答える妻に、いつしか私の心の中に正義感が芽生え始めました。

 

 妻を朝から疲れさせてはいけない。

 

 彼女の朝の至福な時間を演出するために「ミルは俺の仕事」と決意した私。

 

 それからと言うもの朝の時間に「ミルを回す」と言う仕事が出来、何か自分の立ち位置が出来た事に居心地の良さを感じ始めました。

 

 私「おはようさん。今日も早いな。俺ミル回そうか。」

 

 妻「うんありがとうお願い。」

 

 ゴリゴリゴリ。

 

 手際よく家事をこなしている妻の横でコタツに座って黙ってミルを回す父親。

 

 娘「お父さん、うちもちょっと回したい。」

 

 私「あんなしーちゃん。これはただ単に力任せで回したら豆が上から弾けて出ていきよるから上手に回さなあかんで。」

 

 ゴリゴリゴリ。

 

 息子「お父さん、エグゼイドの本取って。」

 

 私「お父さん今な忙しいねん。もうちょっとまってや。」

 

 ゴリゴリゴリ。

 

 後は妻がセットしてくれているフィルターに挽き終わった豆を入れるだけ。水も勿論妻が既に用意済み。

 

 コポコポと言う音の後、妻が用意してくれているお膳の上に置かれた妻が用意したコーヒーカップをテーブルに運んで、私が入れたコーヒーポットを置きます。

 

 リビングにゆっくりとした時間が流れ、出勤の時間を迎え、妻が用意してくれたお弁当をバックパックに入れて、妻があらかじめ玄関に置いてくれたゴミ袋を持って家を出ます。

 

 「行ってらっしゃい」「行ってきます」

 

 コーヒーミルを購入したことで、妻が少しでも喜んでくれて、コーヒーミルを回すことで妻の負担を少しでも軽減させてあげる事が出来、私にも朝の仕事が出来ました。

 

 朝は忙しい。

 

 と言う事で明日も朝から自分の仕事を頑張ってこなしたいと思います。

 

 異論は認めます。

 

 あと・・・・罪悪感があるので何か・・・すみません。

 

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