英国紳士とは上品で教養があり礼儀正しい男。「紳士」とは本来はジェントルメン(Gentleman )の訳語である。ジェントルマンの語源はイギリスにおける歴史的社会階層である「ジェントリ」に由来する。「ジェントリ」とは厳密には貴族と異なる称号を有する地方領主階層を指す語であるが、後に貴族階級、中産階級を含めて、「統治階級にふさわしい教養と徳性を身につけた男」を指してジェントルマンと呼ぶようになった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
結構な英国紳士レベルを持つ男斉藤です。
突然な始まり方になりましたが皆様もKY、所謂「空気を読む能力」と言うのをお持ちになられている事と思います。
そのKYとよく似た能力であるのがES。つまり英国(England)紳士(Shinshi)力。
私も長い美容人生の中で一瞬の大切な判断を迫られることが多々あります。そう言うときに必要なのがこのES能力。
この英国紳士力が少しだけ発達していたおかげで様々な場面で問題を回避してこれました。
例えばお客様の来店時。
「いらっしゃいませ。〇〇様いつもありがとうございます。ではお上着をお預かりしますね」そういってお客様の上着を預かった時に内側のタグの部分に何かの紙切れが付いていた。
普通なら「なんですかこれ」なんて言ってお客様に確認してしまったりすると思います。
しかしとっさに「クリーニングに出したばかりだな」と判断する私。
何事も無かったかのように「お預かりしまーす」と言って上着を預からせて頂き「どうぞ奥のシャンプー台へ」と誘導した後普通にシャンプーを始めます。
そして首にホットタオルを乗せるや否や「しばらくお待ちください」と言ってその隙にフロントへいき早業でクリーニング札をはがす。
英国紳士ですから当然です。
例えばシャンプー中
両手を動かしていると勢いでシャンプーの泡が私の顔にめがけ、しかも鼻の穴を覆うように飛んできた。
普通なら手を止めてタオルで泡を落とすでしょう。
しかしとっさに「白鳥は水面では華麗に泳ぐ姿を見せるもの」と自分に言い聞かせる。
お客様にその事件の事を悟らせないようそして何より手を止める事無く「今日はお仕事忙しかったのですか」等とお伺いを立てます。
本当は息が苦しい、鼻が痒い、何より気持ち悪いし格好悪い。しかし紳士はスマートに振る舞う。
これも英国紳士なら当然。
その他にカット中に指を切ったり、パーマ中にゴムが切れて自分の顔めがけて飛んできてメッチャ痛かっても同様な処理をするのが英国紳士。
この間なんか満員のエレベーターの中で娘がオナラをしてしまい、咄嗟に「ごめんしーちゃん。お父さんオナラしちゃったよ」なんて紳士って娘にあとで感謝状を貰ったくらいです。
そんな英国紳士である私に最近超難問が叩きつけられました。
夕方ラストの20代後半のお客様のカット中。
色々とお客様の趣味の話を伺ってから、ふと会話が途切れで静まり返ったサロンの空気の中、その音は突然空を切り裂くように聞こえてきました。
ぷう
一瞬心臓の鼓動と呼吸が止まったのを感じた私。今の音は確かにこの白いクロス(お客様にかけるケープ)の内側から聞こえてきた。
まさかとは思うがこれは放屁。
聞き間違いかもしれない、しかし万が一本物だったとしたらお客様も「うわまずい出ちゃった。聞かれたかなドキドキ」なんて事になっているかも知れない。
ここは英国紳士発動。
この間約1秒、とっさの判断で横にあるカルテに目を通したふりをして、何かを思い出したかのように私の口から出た言葉
「そう言えば〇〇様、先日いらしたときにお仕事でも同じ趣味の方がいらしたって話してらっしゃいましたよね。」
何も聞こえてなかった英国紳士ぶり発動。
するとお客様も何事も無かったかのように「ああ良く覚えていてくれましたね、それなんですが・・」
と話を続けてくださいました。よし視界良好オールクリア。
その後しばらく話が盛り上がってきて何事も無かったかのように楽しい時間が過ぎて行きました。
しかしカットが終わりかけて話の合間の静かな時間に、又奴の声が聞こえてきたのです。
えっ・・・・
流れる様な勢いで同じように聴こえてなかったふりをする私。ひょっとしたらお客様は今日お腹の調子が悪いのかな。そう思いながら鏡を覗き込んだのですがお客様は別段普通の表情をされてました。
せめてこの場が3人。3人なら「誰の仕業ゲーム」として盛り上がったりすることも出来るのでしょうが、2人の場合もう断定しかできないのが辛い・・・
しかしそこは紳士。水面でもがく足のバタバタは微塵も感じさせず又何事も無かったかのようにクロスを外して「では一度シャンプー台で流しますねー」と席を誘導しました。
そして席を横に倒した瞬間。止(とど)めの
むう・・・。
クロスを外して篭(こも)る事も無くなり自由になった奴は、無情にもその声をサロンに轟かせました。
英国紳士的限界点。
もう・・・ダメか。
「あの・・・・〇〇様。一度席を起こしてお手洗いに行かれますか。」
「えっ大丈夫ですよ。なんでですか。」
「いや、今私の勘違いかも知れないのですが、何やら音が腰のあたりから聞こえてきた気がしたので。」
「えっ」
二人を丸裸にする仕上げのぷうが鳴り響き、ごそごそとズボンを触るお客様の口から出た言葉
「ああ。これですねスマートフォンですよ。スミマセン。」
えっ
「ラインのグループチャットの音。勝手に盛り上がってるみたいですね。」
なんですって。
それが着信音ですって。
その後、ずっとその音が気になってい旨を伝えた私に対してお客様は心広く笑い話として楽しく答えてくださいました。
取り敢えず私の早とちりに終わって良かった。
しかしここでも普通なら「そんな紛らわしい着信音やめてんかーい」って突っ込むところなのでしょうが、そこは英国紳士。すべての原因は自分にあるのです。
そもそもお客様達がオナラなんてする訳がない。お客様を最後まで信じれなかった自分が悪い。
そう解釈しました。
英国紳士力。これからもどんどん培ってまいりたいと思います。
余談ですがそれ以来、自分のLINEの着信音も「ぷう」にしたのは言うまでもありません。
なぜなら英国紳士ですから。
英国紳士とは上品で教養があり礼儀正しい男。「紳士」とは本来はジェントルメン(Gentleman )の訳語である。ジェントルマンの語源はイギリスにおける歴史的社会階層である「ジェントリ」に由来する。「ジェントリ」とは厳密には貴族と異なる称号を有する地方領主階層を指す語であるが、後に貴族階級、中産階級を含めて、「統治階級にふさわしい教養と徳性を身につけた男」を指してジェントルマンと呼ぶようになった。
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結構な英国紳士レベルを持つ男斉藤です。
突然な始まり方になりましたが皆様もKY、所謂「空気を読む能力」と言うのをお持ちになられている事と思います。
そのKYとよく似た能力であるのがES。つまり英国(England)紳士(Shinshi)力。
私も長い美容人生の中で一瞬の大切な判断を迫られることが多々あります。そう言うときに必要なのがこのES能力。
この英国紳士力が少しだけ発達していたおかげで様々な場面で問題を回避してこれました。
例えばお客様の来店時。
「いらっしゃいませ。〇〇様いつもありがとうございます。ではお上着をお預かりしますね」そういってお客様の上着を預かった時に内側のタグの部分に何かの紙切れが付いていた。
普通なら「なんですかこれ」なんて言ってお客様に確認してしまったりすると思います。
しかしとっさに「クリーニングに出したばかりだな」と判断する私。
何事も無かったかのように「お預かりしまーす」と言って上着を預からせて頂き「どうぞ奥のシャンプー台へ」と誘導した後普通にシャンプーを始めます。
そして首にホットタオルを乗せるや否や「しばらくお待ちください」と言ってその隙にフロントへいき早業でクリーニング札をはがす。
英国紳士ですから当然です。
例えばシャンプー中
両手を動かしていると勢いでシャンプーの泡が私の顔にめがけ、しかも鼻の穴を覆うように飛んできた。
普通なら手を止めてタオルで泡を落とすでしょう。
しかしとっさに「白鳥は水面では華麗に泳ぐ姿を見せるもの」と自分に言い聞かせる。
お客様にその事件の事を悟らせないようそして何より手を止める事無く「今日はお仕事忙しかったのですか」等とお伺いを立てます。
本当は息が苦しい、鼻が痒い、何より気持ち悪いし格好悪い。しかし紳士はスマートに振る舞う。
これも英国紳士なら当然。
その他にカット中に指を切ったり、パーマ中にゴムが切れて自分の顔めがけて飛んできてメッチャ痛かっても同様な処理をするのが英国紳士。
この間なんか満員のエレベーターの中で娘がオナラをしてしまい、咄嗟に「ごめんしーちゃん。お父さんオナラしちゃったよ」なんて紳士って娘にあとで感謝状を貰ったくらいです。
そんな英国紳士である私に最近超難問が叩きつけられました。
夕方ラストの20代後半のお客様のカット中。
色々とお客様の趣味の話を伺ってから、ふと会話が途切れで静まり返ったサロンの空気の中、その音は突然空を切り裂くように聞こえてきました。
ぷう
一瞬心臓の鼓動と呼吸が止まったのを感じた私。今の音は確かにこの白いクロス(お客様にかけるケープ)の内側から聞こえてきた。
まさかとは思うがこれは放屁。
聞き間違いかもしれない、しかし万が一本物だったとしたらお客様も「うわまずい出ちゃった。聞かれたかなドキドキ」なんて事になっているかも知れない。
ここは英国紳士発動。
この間約1秒、とっさの判断で横にあるカルテに目を通したふりをして、何かを思い出したかのように私の口から出た言葉
「そう言えば〇〇様、先日いらしたときにお仕事でも同じ趣味の方がいらしたって話してらっしゃいましたよね。」
何も聞こえてなかった英国紳士ぶり発動。
するとお客様も何事も無かったかのように「ああ良く覚えていてくれましたね、それなんですが・・」
と話を続けてくださいました。よし視界良好オールクリア。
その後しばらく話が盛り上がってきて何事も無かったかのように楽しい時間が過ぎて行きました。
しかしカットが終わりかけて話の合間の静かな時間に、又奴の声が聞こえてきたのです。
ぷう
えっ・・・・
流れる様な勢いで同じように聴こえてなかったふりをする私。ひょっとしたらお客様は今日お腹の調子が悪いのかな。そう思いながら鏡を覗き込んだのですがお客様は別段普通の表情をされてました。
せめてこの場が3人。3人なら「誰の仕業ゲーム」として盛り上がったりすることも出来るのでしょうが、2人の場合もう断定しかできないのが辛い・・・
しかしそこは紳士。水面でもがく足のバタバタは微塵も感じさせず又何事も無かったかのようにクロスを外して「では一度シャンプー台で流しますねー」と席を誘導しました。
そして席を横に倒した瞬間。止(とど)めの
ぷう
むう・・・。
クロスを外して篭(こも)る事も無くなり自由になった奴は、無情にもその声をサロンに轟かせました。
英国紳士的限界点。
もう・・・ダメか。
「あの・・・・〇〇様。一度席を起こしてお手洗いに行かれますか。」
「えっ大丈夫ですよ。なんでですか。」
「いや、今私の勘違いかも知れないのですが、何やら音が腰のあたりから聞こえてきた気がしたので。」
「えっ」
ぷう
二人を丸裸にする仕上げのぷうが鳴り響き、ごそごそとズボンを触るお客様の口から出た言葉
「ああ。これですねスマートフォンですよ。スミマセン。」
えっ
「ラインのグループチャットの音。勝手に盛り上がってるみたいですね。」
なんですって。
ぷう
それが着信音ですって。
ぷう
その後、ずっとその音が気になってい旨を伝えた私に対してお客様は心広く笑い話として楽しく答えてくださいました。
取り敢えず私の早とちりに終わって良かった。
しかしここでも普通なら「そんな紛らわしい着信音やめてんかーい」って突っ込むところなのでしょうが、そこは英国紳士。すべての原因は自分にあるのです。
そもそもお客様達がオナラなんてする訳がない。お客様を最後まで信じれなかった自分が悪い。
そう解釈しました。
英国紳士力。これからもどんどん培ってまいりたいと思います。
余談ですがそれ以来、自分のLINEの着信音も「ぷう」にしたのは言うまでもありません。
なぜなら英国紳士ですから。
ぷう