ミサンガ

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2020.09.22

 やましなす皆さまお久しぶりです。

 

 海外ドラマをお客様から勧められ、早朝の筋トレの時間に全然起きられなくなってしまい体重が元に戻った男斉藤です。

 

 今回はちょっとだけ自慢させてください。

 

 三年前に現在中学二年のお姉ちゃんがミサンガ作りにハマっていた時がありました。

 

 いくつかある友達にプレゼントするはずのミサンガの一つを「出来が悪いからコレお父さんにあげる」と言ってプレゼントしてくれました。

 

 娘の手作りのプレゼントはソレが初めてであったためとても嬉しいものでした。

 

 しかしあまりにも長くつけているので夏の暑い時期に短パンで出かける時などを除いては、その存在自体を忘れる事も少なくありませんでした。

 

 先日の土曜日、仕事が終わっていつものように部屋着に着替えてリビングに上がろうとすると、足の裏で何か紐の様なものを踏んずけた感触がありました。

 

 靴下の下を確認してみた所、お姉ちゃんがプレゼントしてくれたミサンガがそこにありました。

 

 3年という長い月日私の体の一部と化していたミサンガが切れた事に何か言葉に出来ない感動がありすぐにお姉ちゃんに報告に行きました。

 

 私「これ見てしーちゃん。ついに切れたわ。」

 

 娘「うわホンマや。ていうかお父さん未だソレつけてたの。メッチャ臭そうやな。」

 

 切れたミサンガを手に取って嬉しそうに眺めた娘と二人でその匂いを嗅ぎ「クッサ」と言いながら笑いあいました。

 

 娘「そう言えばお父さん、これつける時に何願い事したの。」

 

 ご存知の無い方もいると思いますがミサンガは着ける時に何か願い事をすると切れるときに叶う、と言われています。

 

 そう言えば何願ったっけ、と考えていると突然願い事の内容を思いだしました。

 

 「お姉ちゃんともう一度二人っきりでデート出来ますように」

 

 今ではすっかり慣れてきましたが、当時の私にとって幼いころとてもなついてくれていた娘が、日に日に私と距離を置くようになっていく事はとても寂しい事でした。

 

 晩御飯を食べながら連休中の各自の予定を聞いてみると、次の敬老の日(月曜日)は息子がサッカーの試合で枚方まで試合に行くので妻はソレに付いて行き(友達の車に乗せて行ってもらう)娘は午前中部活に行くとの事でした。

 

 妻「だからお父さん、しーちゃんと一緒にお昼ご飯適当に食べておいて(っていったじゃん)。」

 

 思ってもいない展開(多分事前に妻に伝えられていたと思いますが、しっかり聞いていなかった)になりましたが、と言う事は娘と二人で外食できると言う事です。

 

 月曜当日。朝早く出かける3人の背中を見送り、風呂洗い洗濯、掃除に水やりと一通りのいつも妻がしてくれている家事を済ませ急いでオーキニー通信の作成を終えさせた私は、娘の帰りを心待ちにしました。

 

 やがて娘が帰宅し「どこか二人で食べに行くけどかまへんか」と聞いたところ「別にどっちでもええよ」との返事があったので迷うことなく出かけました。

 

 本当は東洋亭にハンバーグでも食べに一緒について来てもらおうと思ったのですが連休中で国道はどこも激混み状態。これはダメだと思って引き返し近くのラーメン屋さんに食べに行く事にしました。

 

 道中、娘の音楽性について語り合ったのですが、会話はそこで足りなかったようでラーメン屋さんでも盛り上がり続けました。

 

 私「お母さん帰って来たら疲れとると思うからお父さん珍しく何か作ろうと思うねん。だからちょっとマツヤ寄り道してええか。」

 

 快く承諾してくれた娘。マツヤに寄って買い物をしてると

 

 娘「お父さん。白菜買ったあと豚肉直行する前に買うもんあったら魚とか見ておいた方がええで。又戻らなあかんし。」

 

 妻と買い物をする事になれていた娘が買い物の順番を教えてくれました。

 

 食材を探しながらサラダの作り方を教えてくれたり率先的にモノがある所に誘導してくれる娘の後ろ姿を見ているととても幸せを感じました。

 

 その後、せっかくだから服を見に行きたいと言い出した娘とモスバーガーの横を通り隣のしまむらに入りました。

 

 娘「そう言えばモスバーガー最近食べてへんけど、毎年大晦日にお店の大掃除してるときにお父さんと一緒に買いにきてたよな。うちの初めてのバイトお店の掃除やったもんな。」

 

 懐かしい話を振って来てくれる娘と一緒に店内に入り、私の「娘の服を選ぶセンス」を少し信用してくれている娘は「これどう思う」と色々服を持って見せに来てくれました。

 

 予定より高くついた娘との外食は、気が付けば4時間が経過していました。

 

 家に戻りいつもなら真っ先に自分の部屋にこもってしまう娘は、私に野菜はココで燃えないゴミはコッチ、と率先してテキパキと動いて指示してくれました。

 

 そうこうして夕飯の支度をしていると予定より早く妻と息子がサッカーから帰って来ました。

 

 その後、夕飯に並べられた私の明らかにうす味に仕上がってしまった「豚肉のミルフィーユ煮」(誰でも作れる超簡単料理)を食べながら「うん。薄いね」と言いながら塩を振りかける妻。その横で「ウッマこれ」と言って私の機嫌を取りつつ見えない所でソロっと塩を振りながら食べてくれている娘を見ていて、今日一日の「父親として見れていなかった娘の成長」の出来事を思いだし、何故か涙がこぼれそうなりました。

 

 

アピールしてるだけの画像

 

 こうして3年間私の足首に巻かれたミサンガは、不思議な力と絶妙のタイミングで私の願い事を叶えてくれました。

 

有難うミサンガ

 

 すっかり寂しくなった私の左足首。当たり前のように引っ付いてはいましたがいずれ必ず離れていくものだと承知して付けました。無くなった存在感より長年共にいれた思い出を大切に又今の環境を大事に過ごしていきたいと思いました。

 

 子供達の成長に負けないように又今日から頑張ります。

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