僕が洗濯を始めた訳

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2017.02.07

 おはようございます斉藤。愛車CX-5のサイドブレーキが接着剤で固定されてしまい、動かなくなってしまって半泣きになっている男斉藤です。

 

 先週とあるお客様との会話の中で「斉藤さんって家で家事を何か手伝っていますか」と尋ねられました。

 

 以前までの私なら「毎朝コーヒー豆を挽いています」と答えていた事と思います。

 

 私はその時のその問いに対して「毎晩洗濯をしています」と答えました。

 

 それを聞いたお客様はいたく感心して下さっていたのですが、なんと言うかこう良心が少し痛みました。

 

 いえ。洗濯をしているのには間違いは有りません。そこだけ摘まんで聞いて頂ければ「優しいご主人」という勘違いもして頂けることだと思います。

 

 結婚してからつい最近までやっていませんでしたし、それどころか偶にしか洗濯物を畳んでいないのに洗濯を手伝っている事を過大にアピールしていました。

 

 そんな私が何故最近になって急に洗濯をやり始めたのか。

 

 始まりは昨年末にアイリスオーヤマという家電メーカーのホームページを覗いたのが全ての始まりでした。

 

 毎日家事をこなす妻を助けるため、夫である男性の役目として一番重要なのは「妻をどれだけ快適にしてあげられるか」だと考えるのは当たり前の事。

 

 例えば、毎日食事を作ってくれている妻のために高性能なフライパン、掃除をしてくれている妻のために高性能な高圧洗浄機等があれば便利ですよね。

 

 そんな私が、昨年末にアイリスオーヤマのショッピングサイトで「高性能な加湿器」を購入しました。

 

 マンションに引っ越してから初めての冬を迎えるにあたって、いつも家族の健康を第一に考えてくれている妻が風邪などの予防として毎日のうがい手洗いを全員に実践させていたのですが、その効果をより確かなものにするためでした。

 

 リビングの入り口付近にデーンと置かれた加湿器は最初こそ「わぁありがとう。いいじゃん。」等と言う声をかけられていたのですが、稼働してみるとそれ程乾燥していない環境な事が分かり、設置から四日程で息子のパジャマとパンツを上に置くだけのモニュメントと化してしまいました。

 

 その加湿器を購入した際に、必要でもないLEDライトやシェルフなどを同時に購入してしまった事で、アイリスオーヤマで会員限定のクーポンが大量に届くようになりました。

 

 気が付くとポイントが15000ポイント程溜まっていたので、そのポイントを使用して妻のために「高性能な除湿器」を購入しました。

 

 私達夫婦は共働きなので休みくらいにしか昼間に洗濯を干す事が出来ません。

 

 なので基本部屋干しなのですが、生乾きを少しでも回避するために洗濯用にも使える除湿器を購入したのです。

 

 「わぁありがとう」と言いながらお腹の中で「又ゴミになるモノを買って来たぞ」と思っていたであろう妻も、初めて使用した日の夜に

 

 「ヒロミ。ありがとう。あれかなり除湿してくれるから乾くのが早くなったよ。」

 

 といたく感動してくれて、久しぶりにヒット商品を妻にヒットさせて私も嬉しくヒットな状態になりました。

 

 それからと言うモノほぼ毎日除湿器を稼働してくれるようになったのですが、果たしてどれだけ除湿してくれているのかという性能が私にはわかりませんでした。

 

 妻は毎朝4時に起きてウォーキングを済ませてから洗濯機を6時半くらいに回し始めます。

 

 朝に洗濯機を回すのには訳があり、浴槽の水を吸い出して洗濯に利用するのですが、ラストの私がお風呂に入るのが9時半過ぎで、その時間は妻のお休みタイムになるからです。

 

 そして7時半頃に私が出勤した後、要約洗濯を干して除湿器を稼働させていました。

 

 仕事が終わり息子を迎えに行った後、大体5時半頃に洗濯物を畳み、その除湿機の中にたまった水を捨てていたので私がその効果を目にすることは出来なかったのです。

 

 その効果をどうしても見たくなった私が出した答えが「自分の入浴後に洗濯機を回し、寝るまでに干して翌朝除湿器のタンクを確認する」というモノでした。

 

 翌朝妻がウォーキングに出掛けるのを確認してから調べに行くと、私の満足感を満たすのには十分過ぎるほどの水がタンクに溜まっていました。

 

 何事もなかったかのようにさり気なく寝室から出てきた私に対して、オマケで期待していた「妻からの洗濯してくれて有難う」と言う言葉にさらに満たされる私の心。

 

 「ん。別に。」と不愛想に答えながら自分の終えた仕事の様(物干しの状態)を横目でチラッと確認してみました。

 

 あれ。

 

 何か違和感を感じた私。

 

 妻がトイレに行った瞬間を狙って、その違和感を間近で確認するために洗濯物に近寄りました。

 

 原因はすぐにわかりました。

 

 私が干したはずの息子と娘の厚手のズボンが裏返されていました。

 

 コーヒー豆を挽きながら「なぜ裏返されたか」を考えていて、勘の良い私は「恐らく内側のポケットが乾きにくいからであろう」と言う考えに至りました。

 

 勿論妻からその事を教えられて訳ではなかったのですが、私の中でナニクソ根性が発動してその日の夜も続けて洗濯機を回しました。

 

 なんやねん。有難う言いながら足りてへんやんケ。

 

 そう思いながら学習した通り、厚手のズボンを裏返しに干して朝を心待ちに眠りに着きました。

 

 妻の口から再び発せられる夫への感謝の言葉とこぼれる笑顔。

 

 心の中で「これで完璧やろ。アンタはええ旦那と結婚できて良かったな。」とドヤ顔の私の目に飛び込んできた違和感リターンズ。

 

 妻が寝室を掃除しに行ったのを見計らって即座に確認しに行ったところ原因がわかりました。

 

 私が干したはずの靴下の向きが上下逆さまになっていました。

 

 確かに口をピンチに挟んだはずなのにつま先が挟まれていたのです。

 

 なんやまだアカンの。

 

 妻の笑顔の裏に隠された感情。勿論そんなモノはないかも知れませんが何となくピンと感じ取った私。

 

 その日の夜。三度洗濯に挑んだ私はズボンを裏返し靴下の向きを逆さまにして布団に入りました。

 

 次の日の朝。

 

 又違和感を感じた私は妻の行動のタイミングを気にせず確認しにいってその原因を突き止めました。

 

 組立ての立てかけ式タオル干しに干されたバスタオルの干し方が、棒1つ使用ではなく棒3本使用に広げられていました。

 

 そして更に次の日の朝。

 

 今度はかなりハイレベルだったのですがクリップがいっぱい付いている小物干しの加重バランスが若干直されているのに気が付きました。

 

 万全を期した5日目。

 

 ハンガーとハンガーの空間が洋服の厚さに合わせて絶妙に空いているのに気が付けました。

 

 その後も除湿器に近い場所に乾いて欲しいであろう娘の体操服や厚手のジーパンを位置する事。次の日の天候も考慮して予め乾燥機を30分だけでも回した方がいい事などを学習させていただきました。

 

 10日目。

 

 ついに初めて私が干した状態のまま(だと思いたい)で朝を迎える事が出来ました。

 

 私は両手を挙げて大声で「エイドリアーン。」と叫びました。

 

 コタツに潜ってテレビを見ていた息子がびっくりし過ぎて泣きそうになっていました。

 

 今まで妻が私が行った洗濯に対してアドバイスをくれた事は一度も有りません。

 

 妻はただ「ありがとう」と感謝の気持ちを私に伝え、その後にひっそりと自分の正位置まで修正を加えていただけです。

 

 要は私が勝手に腹を立ててこだわっているだけ。

 

 柔軟剤の量や湯を吸い取るホースの設置状態。

 

 柔軟剤は入れすぎるとタオルなどは吸水性が悪くなりますしホースもしっかり伸ばした状態でお風呂に入れておくと巻くときに水がドボドボ垂れてきません。

 

 と言う訳でいつの間にか洗濯をがちょっと楽しくなりました。

 

 疲れている時は少しでも早くお風呂に入らなければいけないという気持ちになり、酔っぱらって帰って来た時はせめてタイマーセットしてからじゃないと気が張って寝れなくなりました。

 

 ひょっとしたら総て含めて妻の考え抜かれた手法かも知れませんが、何となく自分に習慣として出来る家事が見つかって良かった気がします。

 

 これ何だろう何だろう。そう思っていてふと気が付いたのですがこの一連はアシスタント時代に「先輩のお客様をブローした際に黙って直されていた時」と似た気持ちです。

 

 元をたどれば全く美しくない心から始まりましたが、お客様にも言ってしまった手前取りあえず死ぬまで自分の仕事としてやっていきたいと思います。

 

 因みに「それ(洗濯)だけで偉そうに言うな」と見て頂いている奥様方に思われている事は十分承知の助。

 

 洗濯ってなかなか奥が深いんですね。

 

 と言う訳で誰かお勧めの柔軟剤教えてください。

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