違った景色

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2014.08.06

 ありがとう。

 

 今回はちょっと嬉しさをつのります。

 

 「幸せ」は見つけるのが難しそうで、でも本当はごくごく身近なところに沢山落ちてるって事、この歳になって初めて教えて貰えた男「お父さん」です。

 

 何気ない日常、何気なく過ごす毎日の事でもアナタが近くに居てくれるだけで、こんなにも違った景色と空気を感じ取れるんですね。

 

 

 

 

 

 1年通っていた児童館を「先生が怖いから辞めたい」って理由で突然言いだしたのは確か今年の春先やったっけ。

 

 夏休みが始まって毎日サロンに来るようになってからどうなる事かと不安やった2週間。

 

 初めのうちは裏でゴロゴロ、持ってきたDVDを見ているだけやった。

 

 案の定、時間を持て余すようになり、しばらくしてお父さんお母さんの仕事を手伝い始める。

 

 正直、手伝ってくれると何をやるにもいつもの倍の時間はかかってるんやけど、一生懸命不器用に動く姿を見てちょっと嬉しかったりする。

 

 そして1週間前から今度はお父さんの朝のウォーキング通勤に一緒に付いて行きたいと言い出した。

 

 正直、初めは喉が渇いただの足が疲れただのもうちょっとゆっくり歩けだの五月蠅かったけど、慣れて来たから返事も優しくなって来たっしょ。

 

 

 最短距離で歩いていたいつもの通勤道。寄り道したり別コースを探して歩く。

 

 いつもと同じだけど全く違う景色が見える。

 

 最短距離を歩いていたいつもの通勤道。勝手に替え歌を作って一緒に歌ったり。勝手に物語を作って続きを言い合ったり。

 

 家でやっても面白くないのにここだと凄い面白い。

 

 最短距離に歩いていたいつもの通勤道。途中で始めたジャンケンで勝った方が団扇(うちわ)で扇(あお)いでもらえるゲーム。

 

 チョキやと20回パーだと50回、銀なら5枚で金なら1枚。

 

 お父さん、負けたくてグーばかり出してたのにチョキをあえて出してくれた。

 

 汗が噴き出てる額を拭おうともせず笑顔で一生懸命扇いでくれる団扇。

 

 顔に近すぎて鼻にバンバン当たって痛かったぞ。

 

 でもなんかホンマ

 

 二人っきりだといつもと違う時間が過ごせるんや。

 

 同じ景色やのに山科が違って見えるんや。

 

 お蔭で途中で寄るコンビニの店員さんに頼んでもいないのに「妖怪ウォッチのカードパック」を用意されるようになったのは大誤算。

 

 いつもと同じ通勤道。

 

 いつしか最近はご無沙汰だった私の手を取り繋いでくれるようになってくれた。

 

 途中、同い年ぐらいの子供達を見つける度に慌てて離す小さな軟らかい手。

 

 しばらくして、見えなくなるのを待ってから、急いで繋ぎ直してくる小さな汗ばんだ手。

 

 なんか手の平いつの間にかちょっと大きくなった。

 

 ベトベトがこんなにも嬉しく思うのはお父さんが変態だからか。

 

 

 

 いつもと違う通勤道。

 

 本当に幸せだけど、ふとした時に少し寂しくなるのはなんでやろ。

 

 そうか

 

 やがてきっとこんな事もしてくれなくなる。

 

 いつか

 

 お父さん以外の男性をもっと素敵と思う日が来る。

 

 今。面白いと言う理由から好きになっているリュウノスケ君とかいう子はおっきなってからお酒飲めなさそうな顔してるからやめとけ。それとは違った「好き」と言う感情が生まれてくる。

 

 今では笑ってくれているオナラの音にもいつしか「最低」「ウザい」と冷たい視線を送ってくる様になる。

 

 その内朝のトイレも勝手に順番作られたりするんやろう。

 

 でもな。

 

 お父さん、この夏休みの朝の時間、一生忘れへんわ。

 

 いつもと違う通勤道。

 

 これからももっと優しく、もっと明るく素敵な成長を遂げて欲しい。

 

 宿題間違えても自由研究捗(はかど)らなくても全然かまへんし。お母さんみたいに怒らへん。

 

 アンタにしか無い魅力。お父さんはずっと昔から分かってるつもりやねん。

 

 いつもと違う通勤時間。

 

 夏休みには永遠じゃなくてすぐに終わりが来る。

 

 今年しか経験できなかった想い。大切にしながらアンタらの為にこれからも頑張るわ。

 

 エエ子でホンマ有難う。

 

 最後に一つ言わせてもらうと

 

 お願いやから赤いパンツはいてる時だけは足ひらげて座わんのヤメてくれ。

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