ほいっとよいっと ほいっとよいっと。
威勢の良い男たちの掛け声が山科の街の建物の間で響き渡ります。
秋雨降る冷たい空気の中、担ぎ手たちの体から上る熱気が絶え間なくゆらゆらと出ていきます。
ほいっとよいっと。
ご機嫌いかがでしょうか皆様。やっぱり雨男だった斉藤です。
今回のブログは長くなりそうなので表編&裏編に分けてみます。
先日の日曜日、前回のブログでもお知らせしていたように山科のお祭りがありました。
祭り当日の朝、目覚ましを5時15分にセットして、起きると台風の影響で結構な雨が降っていました。
電話で連絡して確認すると、どうやら予定通り巡行は行うとの事でした。
一応はこの日の為に「晒(さらし)」を巻く練習もして、髪も真っ赤に染め直しました。取りあえず手配通りに準備を済ませます。
出かけの娘からの「父ちゃんカッコいい」のセリフでスッカリご機嫌になってしまった私。
「ほな父ちゃん頑張ってくるわ。7時過ぎに近く通るからしーちゃん(娘)見に来てや。」
傘をさして両腕を汲んで歩いて2分くらいの距離の「三之宮神社」に向かうと、同じような格好の人たちがぞろぞろと道路脇から歩いて来ます。
神社前のテントに着くと朝6時だと言うのに男の人でごった返してました。
雨天と言う事でご丁寧に合羽(かっぱ)まで貸してくれての巡航だそうです。
奥のほうで受け付けを済ますと初心者用に「肩を傷めない為」座布団みたいな素材のチョッキを貸してもらいました。
法被の上からこれを着用するようです。なるほど肩当の代わりになるのか。
その後、神社の奥に進むとお神酒(おみき)が置いてありそれを飲んでから、簡単な説明があり、背の順番に並んで先頭から数人が並ばされます。
まあ初心者だから途中で変わって入る感じでいいかな。と簡単に思っていたのですが、流れで先発隊に選ばれました。
担ぎ方や歩き方など全く分からないまま先陣を切っての参加となりました。
早朝目を覚まして間もなくから肩と首にズシリとのしかかる神輿の重さ。
始めは取り敢えず、大雨の中を狭い道を行くので大事を取ってゆっくりと、私の家がある方へ一直線に100m程向かいました。
初っ端からの重労働はきつかったですが、娘に私の勇士を見せれる、と希望を見出した私。しかし神輿は家の前の手前のコーナーを無情にも左に曲がって行きます。
やや遠く、50m程先に見えるわが家からは遠くを覗き込むような格好の娘と妻の影が薄ら見えました。
その後、掛け声とともに大雨の中巡行が進みます。
ほいっとぉ よいっとぉ
この「ほいっとぉよいっとぉ」は神輿の掛け声です。
2年前までは「わっしょいわっしょい」だった山科の神輿の掛け声も、昨年にお年寄り陣営からの圧力で昔ながらの「ほいっとよいっと」に変更になったそうです。
神輿は途中で台車に乗ったり休憩をはさみながら外環状線~五条通~西友裏フレスコ前~山科団地へと練り歩きます。
途中、家の前で何軒かが熨斗を張った日本酒や祝儀袋を用意されていて、その都度神輿を止めてやや早めのペースのほいっとぉよいっとぉを皆で合唱。これが供え物をしてくれた方々への感謝の形だそうです。
ほいっとぉ よいっとぉ×3 ありがとうございました。
皆で掛け声を合わせると何か心地良いモノが体の中を綺麗にしてくれる気持ちになります。
途中途中で道幅が広くなり、自動車が通らない場所に来るたび神輿を台車から外して、皆で力の限り、練ったり(ねり)さしたり(さし)
パフォーマンスを行います。
この「練り」と言うのは、俗にいう「練り歩く」の事です。
「練るよ」と声を掛けられたら、担ぎ手が数人立候補で担ぎ柱(持ち手)に移動して、肩と首の間に柱を担ぎ入れます。
持ち手の先端、及び殿(しんがり)にいる数人は「ほいっとぉ よいっとぉ」の掛け声とともに力の限り上下にゆすりながら足の裏で自分のお尻を蹴り上げるかのごとく勢いよくステップを踏みながら前進します。
神輿の真ん中に近い部分の担ぎ手は、ひたすら振動に耐えながら出来る限り上下に揺らさないようにして前進します。
そうする事によって支点からの振り子の要領で神輿の装飾である鈴やら金属が綺麗な音と共に踊るような動きを見せます。これを「練り」と言うそうです。
「さし」とは「さし上げる」の事です。
「させ」と言われたら、担ぎ手はその場で制止してから、重量(バーベル)挙げの要領で肩から手に持ち替えて「亀岡の山田木材経営団地」のCMの様に全員で力を込めて神輿を高々と持ち上げます。
そこから「練り」と同じように支点は我慢して、先端と殿で掛け声とともにこれまた上下に大きく揺さぶります。
ほいっとぉ よいっとぉ。
どちらもそうでうが、はっきり言ってかなりの体力と筋力を使います。
ですのでとても長時間同じ人が担ぎ手をやっていられないので、周りにいる同行者は辛そうな人を見たら率先して交代を申し出ます。
交代の仕方は、担ぎ手の肩を手で「ポンポン」と叩いてから、すぐに自分の身体をその人の前に回し肩を割り込みます。
「ポンポン」と叩かれた人は、言わば「交代」の合図なので、交代者の肩が入った事を確認したら即座に神輿から離れます。
要は、誰かに肩をたたかれない限り途中で抜ける事が許されないのです。
特に「練り」の時はこの交代が非常に重要かつ有難く、すぐさま交代(助け)が入り「神輿は皆の協力する力によって掲げられている」と言う感じが受けられるので、連帯感が半端なく楽しいモノでした。
一人でも力を抜くと皆に負担がかかり、その中に知らない人同士の無言の「助け合い」が多くあるので「One for all. All for one.」そしていつもは出せない大声と掛け声でドンドン威勢も良くなってくるので高揚心もたまらなく、とても楽しかったです。
途中、渋谷海道の六兵衛池公園を通り過ぎ西に数百メートル行ったあたりで「六所神社」の神輿とカチ合いになり「どちらが上手に練りさしできるか」のようなバトルになり、勢いで喧嘩になりそうなくらいの状態になりました。
ここが山場らしく、見物客の方も多く居らっしゃいました。
その後、西野から五条通を渡り南下してから数か所施設内でパフォーマンスを見せて夕方の4時半頃、無事に三之宮神社まで帰ってきました。
最後の三ノ宮神社境内では帰還を労(ねぎら)ってくれる見物客が大勢いる中、出し尽くせる限りの力を持って延々とぐるぐる練り歩いたので終いにはヘトヘトになってました。
その頃には雨も上がっていました。
神主さんが巡行の無事を祝い、祝詞をあげて神様を神輿から社へ戻す儀式の際中足がガクガクブルブルしていましたが、何とも言えない充実感がありとても楽しかったです。
その後帰ってから肩の激痛の原因を見てみると
主に左肩で担いでいたのですが、座布団チョッキを着けていてもこんな感じ。今はパンパンに腫れ上がっています。
知り合いは少なかったですが、担ぎ手になる度に多くなると思うのでこれからも休みが合えば毎年担いでいきたいと思いました。
山科の神様、これからも宜しくお願いします。
・・・・とまあ、今回は綺麗にまとめてみましたがタイトル通りこちらは表編。言わば前哨戦です。
神輿とはそんな素晴らしい事ばかりではないと言う事もお伝えしないといけないので、又お暇な方は後にアップされるであろう「ほいっとぉよいっとぉ~裏バージョン~」をご覧ください。
続く
ほいっとよいっと ほいっとよいっと。
威勢の良い男たちの掛け声が山科の街の建物の間で響き渡ります。
ほいっとよいっと ほいっとよいっと。
秋雨降る冷たい空気の中、担ぎ手たちの体から上る熱気が絶え間なくゆらゆらと出ていきます。
ほいっとよいっと。
ご機嫌いかがでしょうか皆様。やっぱり雨男だった斉藤です。
今回のブログは長くなりそうなので表編&裏編に分けてみます。
先日の日曜日、前回のブログでもお知らせしていたように山科のお祭りがありました。
祭り当日の朝、目覚ましを5時15分にセットして、起きると台風の影響で結構な雨が降っていました。
電話で連絡して確認すると、どうやら予定通り巡行は行うとの事でした。
一応はこの日の為に「晒(さらし)」を巻く練習もして、髪も真っ赤に染め直しました。取りあえず手配通りに準備を済ませます。
出かけの娘からの「父ちゃんカッコいい」のセリフでスッカリご機嫌になってしまった私。
「ほな父ちゃん頑張ってくるわ。7時過ぎに近く通るからしーちゃん(娘)見に来てや。」
傘をさして両腕を汲んで歩いて2分くらいの距離の「三之宮神社」に向かうと、同じような格好の人たちがぞろぞろと道路脇から歩いて来ます。
雨天と言う事でご丁寧に合羽(かっぱ)まで貸してくれての巡航だそうです。
奥のほうで受け付けを済ますと初心者用に「肩を傷めない為」座布団みたいな素材のチョッキを貸してもらいました。
法被の上からこれを着用するようです。なるほど肩当の代わりになるのか。
その後、神社の奥に進むとお神酒(おみき)が置いてありそれを飲んでから、簡単な説明があり、背の順番に並んで先頭から数人が並ばされます。
まあ初心者だから途中で変わって入る感じでいいかな。と簡単に思っていたのですが、流れで先発隊に選ばれました。
担ぎ方や歩き方など全く分からないまま先陣を切っての参加となりました。
早朝目を覚まして間もなくから肩と首にズシリとのしかかる神輿の重さ。
始めは取り敢えず、大雨の中を狭い道を行くので大事を取ってゆっくりと、私の家がある方へ一直線に100m程向かいました。
初っ端からの重労働はきつかったですが、娘に私の勇士を見せれる、と希望を見出した私。しかし神輿は家の前の手前のコーナーを無情にも左に曲がって行きます。
やや遠く、50m程先に見えるわが家からは遠くを覗き込むような格好の娘と妻の影が薄ら見えました。
その後、掛け声とともに大雨の中巡行が進みます。
ほいっとぉ よいっとぉ
この「ほいっとぉよいっとぉ」は神輿の掛け声です。
2年前までは「わっしょいわっしょい」だった山科の神輿の掛け声も、昨年にお年寄り陣営からの圧力で昔ながらの「ほいっとよいっと」に変更になったそうです。
ほいっとぉ よいっとぉ
神輿は途中で台車に乗ったり休憩をはさみながら外環状線~五条通~西友裏フレスコ前~山科団地へと練り歩きます。
途中、家の前で何軒かが熨斗を張った日本酒や祝儀袋を用意されていて、その都度神輿を止めてやや早めのペースのほいっとぉよいっとぉを皆で合唱。これが供え物をしてくれた方々への感謝の形だそうです。
ほいっとぉ よいっとぉ×3 ありがとうございました。
皆で掛け声を合わせると何か心地良いモノが体の中を綺麗にしてくれる気持ちになります。
途中途中で道幅が広くなり、自動車が通らない場所に来るたび神輿を台車から外して、皆で力の限り、練ったり(ねり)さしたり(さし)
パフォーマンスを行います。
この「練り」と言うのは、俗にいう「練り歩く」の事です。
「練るよ」と声を掛けられたら、担ぎ手が数人立候補で担ぎ柱(持ち手)に移動して、肩と首の間に柱を担ぎ入れます。
持ち手の先端、及び殿(しんがり)にいる数人は「ほいっとぉ よいっとぉ」の掛け声とともに力の限り上下にゆすりながら足の裏で自分のお尻を蹴り上げるかのごとく勢いよくステップを踏みながら前進します。
神輿の真ん中に近い部分の担ぎ手は、ひたすら振動に耐えながら出来る限り上下に揺らさないようにして前進します。
そうする事によって支点からの振り子の要領で神輿の装飾である鈴やら金属が綺麗な音と共に踊るような動きを見せます。これを「練り」と言うそうです。
ほいっとぉ よいっとぉ
「さし」とは「さし上げる」の事です。
「させ」と言われたら、担ぎ手はその場で制止してから、重量(バーベル)挙げの要領で肩から手に持ち替えて「亀岡の山田木材経営団地」のCMの様に全員で力を込めて神輿を高々と持ち上げます。
そこから「練り」と同じように支点は我慢して、先端と殿で掛け声とともにこれまた上下に大きく揺さぶります。
ほいっとぉ よいっとぉ。
どちらもそうでうが、はっきり言ってかなりの体力と筋力を使います。
ですのでとても長時間同じ人が担ぎ手をやっていられないので、周りにいる同行者は辛そうな人を見たら率先して交代を申し出ます。
交代の仕方は、担ぎ手の肩を手で「ポンポン」と叩いてから、すぐに自分の身体をその人の前に回し肩を割り込みます。
「ポンポン」と叩かれた人は、言わば「交代」の合図なので、交代者の肩が入った事を確認したら即座に神輿から離れます。
要は、誰かに肩をたたかれない限り途中で抜ける事が許されないのです。
ほいっとぉ よいっとぉ。
特に「練り」の時はこの交代が非常に重要かつ有難く、すぐさま交代(助け)が入り「神輿は皆の協力する力によって掲げられている」と言う感じが受けられるので、連帯感が半端なく楽しいモノでした。
一人でも力を抜くと皆に負担がかかり、その中に知らない人同士の無言の「助け合い」が多くあるので「One for all. All for one.」そしていつもは出せない大声と掛け声でドンドン威勢も良くなってくるので高揚心もたまらなく、とても楽しかったです。
ほいっとぉ よいっとぉ。
途中、渋谷海道の六兵衛池公園を通り過ぎ西に数百メートル行ったあたりで「六所神社」の神輿とカチ合いになり「どちらが上手に練りさしできるか」のようなバトルになり、勢いで喧嘩になりそうなくらいの状態になりました。
ここが山場らしく、見物客の方も多く居らっしゃいました。
ほいっとぉ よいっとぉ。
その後、西野から五条通を渡り南下してから数か所施設内でパフォーマンスを見せて夕方の4時半頃、無事に三之宮神社まで帰ってきました。
最後の三ノ宮神社境内では帰還を労(ねぎら)ってくれる見物客が大勢いる中、出し尽くせる限りの力を持って延々とぐるぐる練り歩いたので終いにはヘトヘトになってました。
その頃には雨も上がっていました。
神主さんが巡行の無事を祝い、祝詞をあげて神様を神輿から社へ戻す儀式の際中足がガクガクブルブルしていましたが、何とも言えない充実感がありとても楽しかったです。
その後帰ってから肩の激痛の原因を見てみると
主に左肩で担いでいたのですが、座布団チョッキを着けていてもこんな感じ。今はパンパンに腫れ上がっています。
知り合いは少なかったですが、担ぎ手になる度に多くなると思うのでこれからも休みが合えば毎年担いでいきたいと思いました。
山科の神様、これからも宜しくお願いします。
・・・・とまあ、今回は綺麗にまとめてみましたがタイトル通りこちらは表編。言わば前哨戦です。
神輿とはそんな素晴らしい事ばかりではないと言う事もお伝えしないといけないので、又お暇な方は後にアップされるであろう「ほいっとぉよいっとぉ~裏バージョン~」をご覧ください。
続く