おはようございます。ここ1か月で日焼けの上に日焼けをしてしまいいい歳をして頬の皮膚が南の島のフローネのソバカスのようにズル剥けになってしまった男斉藤です。
先週の日、月曜日に家族で福井県の敦賀に海水浴に行っていました。
私達の宿泊した民宿は、海水浴場でも有名な「水晶浜」と言う浜に面していました。
民宿の前にはプライベートビーチの様な超穴場の砂浜が広がっていたので家族でそこを拠点として海水浴を楽しんでいました。
その砂浜では私達の他に、あと2家族が遊んでいるだけで本当に贅沢な空間でした。
しばらく海水浴を楽しんでいると、私たちの拠点から40m位離れた位置に居た家族が何やら超楽しげに盛り上がっていました。
娘と遊びながら横目で見てると、その家族の父親さんが波打ち際を指さしてとても興奮して大声を出していました。
指刺す方向の水辺を見てみると何やらキラキラと輝く「ふんどし」みたいなものが、コップの淵に差してあるストローの様に水面に斜めに立っていました。
それとなく、決して興味を持っているように思われないように近づいて行くと目を疑うモノの形が私の眼に飛び込んできました。
突然ですが、皆様は昆虫の王様で「ヘラクレスオオカブト」と言うカブトムシの一種がいるのをご存知でしょうか。
森の幻の王様である「ヘラクレスオオカブト」。それに近い感覚を持たれている海、つまり魚類の幻の「魚」バージョンがいます。
その家族が騒いでいる先に、その伝説の幻の魚がいました。
リュウグウノツカイ。
リュウグウノツカイとは、ウナギや蛇のようにとても長い胴体を持ち、その体は虹色に輝き、長く神秘的な髭のような触覚を持つ深海魚の一種。
大きいモノでは10mを超える個体も存在するそうですが、私が見た幻の魚は体長3m位のモノでした。
弱っているのか波打ち際をプカプカと漂っています。
そして間もなくして、その家族の父親がなんとそのリュウグウノツカイを手に取り抱きかかえてしまいました。
歓声を上げて喜ぶその家族。
むう。
駆ぁけぇよぉってっ話ぁしかぁけぇたかぁった。(南野陽子風)
だけぇど追ぉえぇなかぁった。(南野陽子風)
家族の手前、恥じらいを感じてしまい取り敢えず近くを漂っていた娘と妻に状況報告をします。
「ちょっ。そこにリュウグウノツカイがいるで。凄い事やで。」
案の定無反応な妻子。そういう反応になる事は分かっていたので、この感動を少しでも伝えようと簡潔にその遭遇のレア度を伝えます。
この気持ちを共有したい。
抑えられず、少しでも話が通じる人に話そうと妻と娘を放置して向かった先は一緒に旅行に来ていた兄(元水泳部)の所。幼少の頃、苦楽を共にした彼ならば分かってくれるはず。
ほどなくしてバタフライを泳いでいる兄を発見。
状況を伝えた所「そんなアホな事あるか。見間違えやろ。」と一蹴されましたが、弟の近年稀に見る鬼気迫る形相にタダならぬ気配を感じ取ってくれ、泳ぎを止めて例の家族の元に「取り敢えず」と向かってくれました。
何故か潜水で近づいて行く兄。
程なくして約20m向こう側、大はしゃぎで記念撮影をしているリュウグウノツカイを手にした家族のすぐ近くの水面にニョキッと黒い頭だけが浮かび上がりしばらく静止したのち再び潜んでいきました。
数十秒後に私の目の前に現れたその物体は要約上半身を現し、一呼吸して鼻をチーンっとかんだ後私に向かってこう言いました。
「ホンモンや・・・・マジやった。あれはヤバいな。」
そしてやばいやばいを連呼しつつ記念撮影中の家族の方をもう一度振り返ってから、再び元居た海へとバタフライで帰って行き来ました。
その後恨めしそうにその記念撮影を見守っていた私と娘。
「次、私たち家族もいいですか。」
頭の中ではその言葉が簡単に言えるのに。
しばらくして撮影会が終わり、今がチャンスとゆっくりと近づいて行く私でしたが、なんとその父親さんが手にしていたリュウグウ君を海に放流してしまいました。
「あっ。」
ため息にも似た私の声を聞いてか、娘がすぐさま大きな声を出して私にせがんできました。
「お父さん。あの魚捕まえて。」
リュウグウ君は未だ波打ち際を急く事無くボーっと泳いでいました。
記念撮影を終えた家族達が撤収作業に入っているのを確認してから急いで幻魚に近づいて行く私。
そしていよいよ手を伸ばせば摑まえられる距離まで来てから、急に色々な不安要素に襲われる私。
どうやって捕るんやコレ。
その1 素手で魚に触れへん。
その2 毒とか持ってんちゃうんこの魚。
その3 手に取ってから逃げられたら(あの家族の手前)メッチャ格好悪い
結果私の口から出た言葉
「しーちゃん。お父さんにその(娘が持っていた魚)網貸して。」
そして娘の期待と尊敬のまなざしを背に父親としての夏一番のチャレンジが始まりました。
Mission発令
ミッション 幻の魚を確保せよ
ターゲット リュウグウノツカイ 体長約3m
武器 魚網 直径約20cm(柄約1m)
相手は依然、何故かマヌーサ(グロッキー)状態で網がヒレに触れようと逃げようともしませんでした。
私の頭の中では「20cmの網の中に土の中の丸まったゲジゲジみたいな感じでスッポリと納まる3mのリュウグウ君」のイメージが溢れんばかりに沸いていました。
しかし尻尾の部分から何度か10cm程度網をかぶせる事は出来たのですが、微妙にスピードアップするその体に着いて行く事が出来ず惨敗が続きます。
今思うとそんなんエビじゃないんだから尻尾から納まるはず無いじゃん。
しばらくして娘のまなざしが厳しいモノに変化しだして焦り出す私。
「お父さんっアカンやん嗚呼っ逃げるっもう。」
「しーちゃんお父さんな。追い込み漁してるんや。気が散るから話しかけんといて。」
網で突きながら浜に上げる作戦に変更した私でしたが、中々うまく誘導できず逆に沖に向かい始めた獲物。
そして分速10m程のスピードのリュウグウツカイは、私の網に突かれながら海底3m程の場所へと帰って行きました。
Mission impossible 失敗
今日は調子が悪かった。
娘から何故か「嘘つき」呼ばわりされながら「海の男はいかなる時もキャッチ&リリースだ」と言う事を納得いくまで教える人間国宝斉藤広観(となりの)。
頭の中で悔しさが募り、娘に申し訳ないと言う気持ちより先に本音が出てしまいました。
「ブログが行ってしまった。」
その後下火になってしまった私と娘のテンションとは裏腹に、妻がシュノーケルと救命用具を装着してそのリュウグウノツカイを実に20分位ひたすら追っかけていました。
残念ながら証拠を裏づけする写真が1枚もありません。
しかし大変貴重な夏の想い出を頂けました。
これから半月位の間にご来店される予定のお客様方。
しばらくの間来店時に、ひょっとしたら妻の「リュウグウノツカイとの遭遇話」が隣の席から聞こえてくるかもしれません。
コレだけは覚えていて下さい。
リュウグウノツカイを発見したのも追いかけたのも、すべて私だと言う事。
そしてリュウグウノツカイは決して立って泳ぐ生き物ではないと言う事を。
あなた旬が過ぎてから追いかけてただけやんかいさ。
私はもう突っ込み疲れました。
しかし綺麗な浜辺だこと。
おはようございます。ここ1か月で日焼けの上に日焼けをしてしまいいい歳をして頬の皮膚が南の島のフローネのソバカスのようにズル剥けになってしまった男斉藤です。
先週の日、月曜日に家族で福井県の敦賀に海水浴に行っていました。
私達の宿泊した民宿は、海水浴場でも有名な「水晶浜」と言う浜に面していました。
民宿の前にはプライベートビーチの様な超穴場の砂浜が広がっていたので家族でそこを拠点として海水浴を楽しんでいました。
その砂浜では私達の他に、あと2家族が遊んでいるだけで本当に贅沢な空間でした。
しばらく海水浴を楽しんでいると、私たちの拠点から40m位離れた位置に居た家族が何やら超楽しげに盛り上がっていました。
娘と遊びながら横目で見てると、その家族の父親さんが波打ち際を指さしてとても興奮して大声を出していました。
指刺す方向の水辺を見てみると何やらキラキラと輝く「ふんどし」みたいなものが、コップの淵に差してあるストローの様に水面に斜めに立っていました。
それとなく、決して興味を持っているように思われないように近づいて行くと目を疑うモノの形が私の眼に飛び込んできました。
突然ですが、皆様は昆虫の王様で「ヘラクレスオオカブト」と言うカブトムシの一種がいるのをご存知でしょうか。
森の幻の王様である「ヘラクレスオオカブト」。それに近い感覚を持たれている海、つまり魚類の幻の「魚」バージョンがいます。
その家族が騒いでいる先に、その伝説の幻の魚がいました。
リュウグウノツカイ。
リュウグウノツカイとは、ウナギや蛇のようにとても長い胴体を持ち、その体は虹色に輝き、長く神秘的な髭のような触覚を持つ深海魚の一種。
大きいモノでは10mを超える個体も存在するそうですが、私が見た幻の魚は体長3m位のモノでした。
弱っているのか波打ち際をプカプカと漂っています。
そして間もなくして、その家族の父親がなんとそのリュウグウノツカイを手に取り抱きかかえてしまいました。
歓声を上げて喜ぶその家族。
むう。
駆ぁけぇよぉってっ話ぁしかぁけぇたかぁった。(南野陽子風)
だけぇど追ぉえぇなかぁった。(南野陽子風)
家族の手前、恥じらいを感じてしまい取り敢えず近くを漂っていた娘と妻に状況報告をします。
「ちょっ。そこにリュウグウノツカイがいるで。凄い事やで。」
案の定無反応な妻子。そういう反応になる事は分かっていたので、この感動を少しでも伝えようと簡潔にその遭遇のレア度を伝えます。
この気持ちを共有したい。
抑えられず、少しでも話が通じる人に話そうと妻と娘を放置して向かった先は一緒に旅行に来ていた兄(元水泳部)の所。幼少の頃、苦楽を共にした彼ならば分かってくれるはず。
ほどなくしてバタフライを泳いでいる兄を発見。
状況を伝えた所「そんなアホな事あるか。見間違えやろ。」と一蹴されましたが、弟の近年稀に見る鬼気迫る形相にタダならぬ気配を感じ取ってくれ、泳ぎを止めて例の家族の元に「取り敢えず」と向かってくれました。
何故か潜水で近づいて行く兄。
程なくして約20m向こう側、大はしゃぎで記念撮影をしているリュウグウノツカイを手にした家族のすぐ近くの水面にニョキッと黒い頭だけが浮かび上がりしばらく静止したのち再び潜んでいきました。
数十秒後に私の目の前に現れたその物体は要約上半身を現し、一呼吸して鼻をチーンっとかんだ後私に向かってこう言いました。
「ホンモンや・・・・マジやった。あれはヤバいな。」
そしてやばいやばいを連呼しつつ記念撮影中の家族の方をもう一度振り返ってから、再び元居た海へとバタフライで帰って行き来ました。
その後恨めしそうにその記念撮影を見守っていた私と娘。
「次、私たち家族もいいですか。」
頭の中ではその言葉が簡単に言えるのに。
しばらくして撮影会が終わり、今がチャンスとゆっくりと近づいて行く私でしたが、なんとその父親さんが手にしていたリュウグウ君を海に放流してしまいました。
「あっ。」
ため息にも似た私の声を聞いてか、娘がすぐさま大きな声を出して私にせがんできました。
「お父さん。あの魚捕まえて。」
リュウグウ君は未だ波打ち際を急く事無くボーっと泳いでいました。
記念撮影を終えた家族達が撤収作業に入っているのを確認してから急いで幻魚に近づいて行く私。
そしていよいよ手を伸ばせば摑まえられる距離まで来てから、急に色々な不安要素に襲われる私。
どうやって捕るんやコレ。
その1 素手で魚に触れへん。
その2 毒とか持ってんちゃうんこの魚。
その3 手に取ってから逃げられたら(あの家族の手前)メッチャ格好悪い
結果私の口から出た言葉
「しーちゃん。お父さんにその(娘が持っていた魚)網貸して。」
そして娘の期待と尊敬のまなざしを背に父親としての夏一番のチャレンジが始まりました。
Mission発令
ミッション 幻の魚を確保せよ
ターゲット リュウグウノツカイ 体長約3m
武器 魚網 直径約20cm(柄約1m)
相手は依然、何故かマヌーサ(グロッキー)状態で網がヒレに触れようと逃げようともしませんでした。
私の頭の中では「20cmの網の中に土の中の丸まったゲジゲジみたいな感じでスッポリと納まる3mのリュウグウ君」のイメージが溢れんばかりに沸いていました。
しかし尻尾の部分から何度か10cm程度網をかぶせる事は出来たのですが、微妙にスピードアップするその体に着いて行く事が出来ず惨敗が続きます。
今思うとそんなんエビじゃないんだから尻尾から納まるはず無いじゃん。
しばらくして娘のまなざしが厳しいモノに変化しだして焦り出す私。
「お父さんっアカンやん嗚呼っ逃げるっもう。」
「しーちゃんお父さんな。追い込み漁してるんや。気が散るから話しかけんといて。」
網で突きながら浜に上げる作戦に変更した私でしたが、中々うまく誘導できず逆に沖に向かい始めた獲物。
そして分速10m程のスピードのリュウグウツカイは、私の網に突かれながら海底3m程の場所へと帰って行きました。
Mission impossible 失敗
今日は調子が悪かった。
娘から何故か「嘘つき」呼ばわりされながら「海の男はいかなる時もキャッチ&リリースだ」と言う事を納得いくまで教える人間国宝斉藤広観(となりの)。
頭の中で悔しさが募り、娘に申し訳ないと言う気持ちより先に本音が出てしまいました。
「ブログが行ってしまった。」
その後下火になってしまった私と娘のテンションとは裏腹に、妻がシュノーケルと救命用具を装着してそのリュウグウノツカイを実に20分位ひたすら追っかけていました。
残念ながら証拠を裏づけする写真が1枚もありません。
しかし大変貴重な夏の想い出を頂けました。
これから半月位の間にご来店される予定のお客様方。
しばらくの間来店時に、ひょっとしたら妻の「リュウグウノツカイとの遭遇話」が隣の席から聞こえてくるかもしれません。
コレだけは覚えていて下さい。
リュウグウノツカイを発見したのも追いかけたのも、すべて私だと言う事。
そしてリュウグウノツカイは決して立って泳ぐ生き物ではないと言う事を。
あなた旬が過ぎてから追いかけてただけやんかいさ。
私はもう突っ込み疲れました。
しかし綺麗な浜辺だこと。