情けない金縛り

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2013.11.22

 おはようございます。コーヒーが大好きなくせに飲むと夜全く寝れなくなってしまう哀れな男斉藤です。

 

 寝れない続きでの話になりますが、昨日の晩金縛りにあいました。

 

 皆様は金縛りの経験はありますでしょうか。

 

 私が金縛りを初めて経験したのは小学校5年生の夏の頃。

 

 その頃は「心霊写真」や「こっくりさん」という「あなたの知らない世界」的な事が社会的にブームになっていました。

 

 こっくりさんを御存じでない方に説明しますと、こっくりさんとは10円玉の上に数名が指を置き、その10円玉に霊が憑依して、平仮名の書かれた紙の上を独りでに動き出して様々な予言をしてくれるという遊びです。

 

 子供ですから、そのこっくりさんに予言してもらう事(聞く事)なんか「誰々が好きな人は誰か」「ち〇毛はいつ生えてくるか」などくだらない事ばかりだったのですが、その遊びが終わった後、使用した10円玉を必ずその日のうちに使わなければコックリさんに呪い殺されるので必ず使用(お祓い)しなければいけないという約束事がありました。

 

 当時流行っていたビックリマンチョコを買うために、その10円をケチって使用しなかった晩に初めての金縛りにあいました。

 

 金縛り中「10円使わなくって御免なさい御免なさい。許してください。」と100回程念じた後、「幼馴染の野中みえちゃんに他に好きな人が居るってウソついたりしてごめんなさい」「玉虫を机の引き出しに入れっぱなしにしてごめんなさい」などと言う事まで謝ったりしました。

 

 その際もったいないお化けのような10円玉の着ぐるみを着た人間大のコックリさんがベッド越しに2体いらっしゃったのは今では良い思い出。

 

 そして、次の金縛りそれは18歳の頃。夏の暑い時期でした。

 

 東京に出たばかりの頃、美容室の男子寮(豊島区巣鴨)に入寮しました。

 

 先輩との相部屋の二段ベッドの上で寝ていたのですが、夜中に突如として襲われ何とか顔を動かした所、部屋の入り口付近に兵帽を被った戦役兵らしい男の人が野球で言う所の「ばっちこーい」の様な格好で身構えていました。ように見えました。

 

 その後怖くなって嫌がる先輩のベッドにもぐりこんで、新人にして瞬く間に「斉藤はホモ」説が美容室全店にふれわたったのも良い思い出。

 

 そして今回の金縛り。

 

 いつも平均して1時間は目をつぶってから寝付けないのですが、今回は様子が違いすんなり眠りにつけそうな疲れ具合。

 

 妻がいなくなってから7年が過ぎ、ぽっかり出来たベッド右側の空間にある抱き枕に寄り添っていたその時突然襲われました。実に20年ぶりです。

 

 部屋の扉がある方向とは逆の方角に顔を向けての体勢でTime of Kanashibari突入。

 

 金縛りに合われた事がある方はわかると思いますが、この最中本当に首を1ミリ動かす事すら出来ません。

 

 そしてよせば良いのに何故か「扉の方に何かいるんちゃうか」とか「突然窓ガラス割れて新聞飛び込んでくるんちゃうか」等怖い事ばかり考えてしまいます。

 

 勿論そんな事は起こりませんが脳が半分寝ているせいか妄想が現実に変わり行くこの時間。

 

 夢うつつか幻か。その時背中側、扉の方に黒い靄(もや)の様な縦長のモノが広がってグニャグニャ動いて大きな人の顔になりました。

 

 顔も動かせない状態の背中のほうにです。

 

 そして微かに聴こえてくる男の人の声。

 

 「おいてけぇおいてけぇ。」

 

 黒い靄はやがてはっきりした男の人の大きな顔になりました。

 

 顔も動かせない状態の背中のほうで。

 

 「ごめんなさいごめんなさい」

 

 何故か心の中で謝り続ける今年39歳になったばかりの私。

 

 しばらくの間謝りたくっていた私でしたが、そのうち家族の顔が頭に浮かびこんな事ではいけないと奮い立ちました。

 

 「うおぉ。悪霊なんかに負けてたまるか。お前ココから出て行けやぁ。」

 

 39歳急展開。感情は恐怖から怒りへと変わり背中の方にいるであろう悪霊に向かって気持ちでガンを飛ばします。

 

 少しづつ。少しづつですが顔と体をギギギギと数ミリ単位で動かし(ている気分で)扉の方に目を見開きながら悪霊をにらみつけてやりました。

 

 悪霊は去りました。目からは涙がこぼれていました。

 

 ・・・・

 

 さて我に返りましょう。

 

 疑問箇条書き。

 

 1 まず悪霊は自分の部屋で何を置いていけと。

 2 そもそも謝らなければいけない程自分にそんなにやましい事がある。

 3 そして何に勝ちそして負けるというのか。

 4 安い涙の理由とは。

 

 ・・・・・

 

 皆様のご感想を代弁しますと「四十路前の大の大人が何を言ってるの」か。

 

 しかしこんなくだらない妄想が出来る自分も案外嫌いではない私。

 

 しかもこの直後、これはブログのネタにできるとベッドの横に置いてあるメモ帳に素早く書き溜める私。

 

 はぁ。

 

 結局その後その日は何故かぐっすり寝られました。ありがとう西田敏行さん(誰)。

 

 さあ今夜は数珠を持って寝室に入るとするか。

 

 そんな男ですがこれからも皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 

 そして又これが実話だから情けない。

 

 Oh through the nights.

 

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