おはようございます。
先日東野にあるゲオにCDを借りに行ったところ、店内にあるUFOキャッチャーを発見しました。
商品は今若者の間でブレイク中の「ハンドスピナー」でした。
試しに100円投入した所、運良くゲットできました。
家に持って帰って大人げない位に目一杯遊びました。
そんなハンドスピナーですが、息子も娘も興味があったらしく、毎晩風呂上りにテクニックの疲労合戦がリビングで繰り広げられていました。
先日の休みの日に、18時くらいから夕飯を取り始めて妻と二人でまったりワインを飲んでいると調子に乗って気が付くと2本空けていました。
ちょっといい気分になった私は娘にこう言ったそうです。
「しーちゃん(娘)お父さんなぁそのハンドスピナー最高で3分回し続けれたで。まあしーちゃんには無理やろうけど、もしお父さんの記録抜けたら5000円やるわ。」
私は良く、子供たちにこう言うくだらない「賭け」と言うか「餌」を引き合いに出してしまう癖があります。
「喧嘩をしたときに先に謝った方にシールを一枚」
「目覚ましじゃんけんで3回連続で勝てたら100円」
「次の10台以内に青い車が対向車で来たら300円」
勿論、そのチャレンジするもののレベルに合わせて金額も応じたものにしてるのですが、この時は酔いが回っていたのか「絶対無理であろうと予測した金額設定」を提案したそうです。
ちなみに「シール一枚あげる」とは子供たちの「おこずかい表(良い事をするorテストで100点で一枚)」で、溜まるほどにおこずかいがアップする表にシールを貼る、という姑息な手段のシールの事。
普段は聞いたことの無い金額設定に、娘が躍起になってハンドスピナーを手に取りテーブルの上で回し始めたそうです。
ストップウォッチのタイマーの音がしたので、そちらに目をやると娘が弟と抱き合って喜んでました。
理由を聞くより先に娘は私に「イェーイお父さんっ。はぃはいっごっせんえぇぇん。」と叫んできました。
植木等さんを彷彿させるようなリズムで片腕で弟の頭をヘッドロックしながら、片手の掌を私に向けてくる娘と「しーちゃんいたいぃはぁなぁしぃて」と苦しそうな息子。
「お父さんは3分30秒と言った気がする。」
そういう私に一瞬ムッとした表情を見せた娘が「分かった」と言い再びハンドスピナーを手に取り周りの羽を指でビュンビュン回し始めました。
その後又お題をクリアできた娘は息子の顔をくちゃくちゃに弄んでから私の顔を見ながら「5千円ダンス」を披露してきました。
「お父さんは一回だけしか指で弾いてない」と言いました。
娘は弟に八つ当たりを済ませてから、近寄るなと言い放ち体制を整えて今度は一度だけ指で羽をピーンと回しました。
祈る娘。かたわらには理不尽な扱いばかり受けすねた表情の息子。
娘「・・・・28・・・29・・・30っ。30。3分30秒やでっお父さんっ30ぅ。いえぇぇい。」
危険を感じ、姉から距離を置いて身構える息子を見向きもせず今年一番のどや顔を見せてきた娘。
「しーちゃんやるやん。けど5千円は言い過ぎたから又今度イオンで服買ってあげるわ。」
赤ら顔のまま苦笑いで答える父親に、娘はしばしの沈黙の後こう言ってきました。
娘「お父さんっていっつもウチに言ってるよな。約束を破る事だけはお父さん絶対に許さへんって。」
ああ言うてるよ。
娘「お父さんの凄い所って、ウチが産まれてからウチとの約束一度も破った事がない事やもん。お父さん絶対やもん。だからウチお父さん好きやねんで。」
けど、5千円もあげた事バレたら多分二人ともお母さんに怒られると思うぞ。ちょっとやりすぎちゃうかな。
娘「えぇ。お父さん何なん。そうなん。やりすぎちゃうし。」
長い討論の後、娘は切ない表情のまま、初めて私に「おやすみなさい」を言わず自分の寝室に帰っていきました。
午前5時30分。
いつもより蒸し暑く、そして重く深い夜を過ごし一晩考えた私はUFOキャッチャーで取ったハンドスピナーを5100円かけてゲットできた思い出に変換する事にして、4つ折りにした樋口一葉を手に娘の寝室に忍び込みました。
うつ伏せになり、口をパクパクさせた汗だらけの寝相の娘のプリッと突き出たおケツをそっと撫でてから左手の掌の中に樋口さんを潜り込ませて、寝室を後にしました。
おはよう。おはようさん。
いつもと同じ朝が始まり、いつもと変わらぬ順番でリビングに入ってくる家族たち。
「今月、出費かさんでいるところゴメンなんだけど、アオクンの保育園の遠足の時の写真代の610円もお願いできるかな」と申し訳なさそうな顔で妻が言ってきました。
さおりさん。ホント申し訳ないのはコッチのほうです。ごめんなさい。
隣では娘が会話に気付いてないふりをしながら卵かけご飯を美味しそうに食べていました。
しばらくして、妻がお風呂場に掃除に行くタイミングを見計らってから、学校へ行く準備を終えた娘がコッソリ私に近づいてきてひそひそ話で耳打ちしてきました。
「お父さん。ウチな。友達との約束とか絶対ぜぇったい守ってんねん。ありがとうな。いっつもウチとの約束守ってくれて。じゃあ学校行ってくるわ」
プールバッグを肩にかけて、リビングを後にしようとする娘。
しかし思い出したかのようにハッと立ち止まり、振り向きざま私に向って笑顔で何故か口パクで何かを告げてきました。
「や、っ、ぱ、り、だ、い、す、き」
私にはそう聞こえました。そう言って出て行った娘に対して、私の頭の中ではあの歌が流れていました。
恋しさと せつなさと 心強さと
いつも感じている あなたへと向って
あやまちは おそれずに 進むわたしを
涙は見せないで 見つめていたいよ
そしてその夜。
家に着くと、リビングにはハンドスピナーで昨晩の姉のスピンに魅入られて一心不乱に回す練習をする息子と、全く興味を示さなくなり録画した「行ってキュー」を見ている娘がいました。
娘が暇そうにしていたので「今朝の口パクなんて言うたん」と分かっているくせにもう一度口から聞きたいがために尋ねてみたところ驚愕の答えを返されました。
娘は「やっぱりやりすぎ」と言ったそうでした。
確かにもらい過ぎとは思ったもののとても嬉しかったので返す気は無いとの事。
こうして私は5000円で「お父さんは約束を破ったことが無い」という記録を10年5カ月のまま更新する事が出来ました。
高くつくもんですね親子の関係を維持するのって。
まあCX-5の自動車税に比べると鼻くそくらい安いから良しとするか。
って口が裂けても妻には言えませんけど。
因みにもう一度お酒を飲まずハンドスピナーを回したところ、簡単に5分以上回り続けていたのでハナから自殺行為だったことに気が付きましたが所詮後の祭りでした。
おはようございます。
先日東野にあるゲオにCDを借りに行ったところ、店内にあるUFOキャッチャーを発見しました。
商品は今若者の間でブレイク中の「ハンドスピナー」でした。
試しに100円投入した所、運良くゲットできました。
家に持って帰って大人げない位に目一杯遊びました。
そんなハンドスピナーですが、息子も娘も興味があったらしく、毎晩風呂上りにテクニックの疲労合戦がリビングで繰り広げられていました。
先日の休みの日に、18時くらいから夕飯を取り始めて妻と二人でまったりワインを飲んでいると調子に乗って気が付くと2本空けていました。
ちょっといい気分になった私は娘にこう言ったそうです。
「しーちゃん(娘)お父さんなぁそのハンドスピナー最高で3分回し続けれたで。まあしーちゃんには無理やろうけど、もしお父さんの記録抜けたら5000円やるわ。」
私は良く、子供たちにこう言うくだらない「賭け」と言うか「餌」を引き合いに出してしまう癖があります。
「喧嘩をしたときに先に謝った方にシールを一枚」
「目覚ましじゃんけんで3回連続で勝てたら100円」
「次の10台以内に青い車が対向車で来たら300円」
勿論、そのチャレンジするもののレベルに合わせて金額も応じたものにしてるのですが、この時は酔いが回っていたのか「絶対無理であろうと予測した金額設定」を提案したそうです。
ちなみに「シール一枚あげる」とは子供たちの「おこずかい表(良い事をするorテストで100点で一枚)」で、溜まるほどにおこずかいがアップする表にシールを貼る、という姑息な手段のシールの事。
普段は聞いたことの無い金額設定に、娘が躍起になってハンドスピナーを手に取りテーブルの上で回し始めたそうです。
ストップウォッチのタイマーの音がしたので、そちらに目をやると娘が弟と抱き合って喜んでました。
理由を聞くより先に娘は私に「イェーイお父さんっ。はぃはいっごっせんえぇぇん。」と叫んできました。
植木等さんを彷彿させるようなリズムで片腕で弟の頭をヘッドロックしながら、片手の掌を私に向けてくる娘と「しーちゃんいたいぃはぁなぁしぃて」と苦しそうな息子。
「お父さんは3分30秒と言った気がする。」
そういう私に一瞬ムッとした表情を見せた娘が「分かった」と言い再びハンドスピナーを手に取り周りの羽を指でビュンビュン回し始めました。
その後又お題をクリアできた娘は息子の顔をくちゃくちゃに弄んでから私の顔を見ながら「5千円ダンス」を披露してきました。
「お父さんは一回だけしか指で弾いてない」と言いました。
娘は弟に八つ当たりを済ませてから、近寄るなと言い放ち体制を整えて今度は一度だけ指で羽をピーンと回しました。
祈る娘。かたわらには理不尽な扱いばかり受けすねた表情の息子。
娘「・・・・28・・・29・・・30っ。30。3分30秒やでっお父さんっ30ぅ。いえぇぇい。」
危険を感じ、姉から距離を置いて身構える息子を見向きもせず今年一番のどや顔を見せてきた娘。
「しーちゃんやるやん。けど5千円は言い過ぎたから又今度イオンで服買ってあげるわ。」
赤ら顔のまま苦笑いで答える父親に、娘はしばしの沈黙の後こう言ってきました。
娘「お父さんっていっつもウチに言ってるよな。約束を破る事だけはお父さん絶対に許さへんって。」
ああ言うてるよ。
娘「お父さんの凄い所って、ウチが産まれてからウチとの約束一度も破った事がない事やもん。お父さん絶対やもん。だからウチお父さん好きやねんで。」
けど、5千円もあげた事バレたら多分二人ともお母さんに怒られると思うぞ。ちょっとやりすぎちゃうかな。
娘「えぇ。お父さん何なん。そうなん。やりすぎちゃうし。」
長い討論の後、娘は切ない表情のまま、初めて私に「おやすみなさい」を言わず自分の寝室に帰っていきました。
午前5時30分。
いつもより蒸し暑く、そして重く深い夜を過ごし一晩考えた私はUFOキャッチャーで取ったハンドスピナーを5100円かけてゲットできた思い出に変換する事にして、4つ折りにした樋口一葉を手に娘の寝室に忍び込みました。
うつ伏せになり、口をパクパクさせた汗だらけの寝相の娘のプリッと突き出たおケツをそっと撫でてから左手の掌の中に樋口さんを潜り込ませて、寝室を後にしました。
おはよう。おはようさん。
いつもと同じ朝が始まり、いつもと変わらぬ順番でリビングに入ってくる家族たち。
「今月、出費かさんでいるところゴメンなんだけど、アオクンの保育園の遠足の時の写真代の610円もお願いできるかな」と申し訳なさそうな顔で妻が言ってきました。
さおりさん。ホント申し訳ないのはコッチのほうです。ごめんなさい。
隣では娘が会話に気付いてないふりをしながら卵かけご飯を美味しそうに食べていました。
しばらくして、妻がお風呂場に掃除に行くタイミングを見計らってから、学校へ行く準備を終えた娘がコッソリ私に近づいてきてひそひそ話で耳打ちしてきました。
「お父さん。ウチな。友達との約束とか絶対ぜぇったい守ってんねん。ありがとうな。いっつもウチとの約束守ってくれて。じゃあ学校行ってくるわ」
プールバッグを肩にかけて、リビングを後にしようとする娘。
しかし思い出したかのようにハッと立ち止まり、振り向きざま私に向って笑顔で何故か口パクで何かを告げてきました。
「や、っ、ぱ、り、だ、い、す、き」
私にはそう聞こえました。そう言って出て行った娘に対して、私の頭の中ではあの歌が流れていました。
恋しさと せつなさと 心強さと
いつも感じている あなたへと向って
あやまちは おそれずに 進むわたしを
涙は見せないで 見つめていたいよ
そしてその夜。
家に着くと、リビングにはハンドスピナーで昨晩の姉のスピンに魅入られて一心不乱に回す練習をする息子と、全く興味を示さなくなり録画した「行ってキュー」を見ている娘がいました。
娘が暇そうにしていたので「今朝の口パクなんて言うたん」と分かっているくせにもう一度口から聞きたいがために尋ねてみたところ驚愕の答えを返されました。
娘は「やっぱりやりすぎ」と言ったそうでした。
確かにもらい過ぎとは思ったもののとても嬉しかったので返す気は無いとの事。
こうして私は5000円で「お父さんは約束を破ったことが無い」という記録を10年5カ月のまま更新する事が出来ました。
高くつくもんですね親子の関係を維持するのって。
まあCX-5の自動車税に比べると鼻くそくらい安いから良しとするか。
って口が裂けても妻には言えませんけど。
因みにもう一度お酒を飲まずハンドスピナーを回したところ、簡単に5分以上回り続けていたのでハナから自殺行為だったことに気が付きましたが所詮後の祭りでした。